【スリ・スキミング・詐欺】オーストリア滞在で被害に遭わないためのポイント
「いやいや、オレそういうのすぐ分かっからよ!」
5分後にケツポケットの長財布取られて絶望する人の台詞です。
オーストリアは世界的に見ても治安が良く2025年では第4位を誇る国ですが、それでもスリ・置き引き・詐欺等はあります。
自分こそは大丈夫と思っていても人間の集中力・警戒心というのは案外切れやすく、身に着けていた腕時計すら気付かずに奪われてしまうこともあるほど。
今は地球の歩き方や大使館のサイトなど、海外旅行の情報を見ていればオーストリアでよくある手口も色々見つかりますが、ただ気を付けましょうと言われたところでどうにかできるならだれも被害には遭いません。
今回はそれぞれの手口のポイントや実際の様子などを含めご紹介します。
もしオーストリア、あるいは海外旅行が初めてという方は、ぜひ自分ならどう動けるかを一度想像しながら参考にしてみて下さい。
スリ
日本人が甘く見すぎている犯罪で最も警戒すべきもの。
以下は大分古い動画なんですが、それでもスリに気づくのが簡単なことではないことが分かります。
仮にバッグにいかつい南京錠が付いていたとしても、スリに遭うことは0%じゃありません。
バッグの生地が柔らかければ、切って開けられることがあるからです。
さすがにそれは気付くでしょと思いますか?
意外に満員の地下鉄等でなくとも気付かないらしく、油断していると数秒で盗られます。
気を付けるポイント
スリの多くの手口では、まずターゲットの意識を他所に向けさせることが多いです。
よく聞くパターンの一つとしては液体をこっそりターゲットにかけておいて、「上着が汚れているよ」と声を掛けつつ貴重品を抜き取るパターン。
この場合、無視して人のいないところで汚れを確認するのが正解です。
ポイントは声をかけられた時に注目すべきは自分の荷物の方で、声をかけてきた人ではないということ。
というのもこれ系は複数犯の場合がありもう一人(以上)がすぐ後ろにいるかもしれないからです。
なので(既に後ろにいるかもしれない)相手と距離を離すことが最優先となります。
また、道を尋ねながら地図を広げてくる、腕時計を見るジェスチャーをしながら時間を聞いてくる等、集中の方向をそらしつつ声をかける理由は色々と考えられますね。
とは言っても普通の人が本当にただ聞いてくることもあるので、あんまり疑心暗鬼になりすぎると観光どころではなくなってしまうのも事実。
私もよく場所を尋ねられることはありますし。
要はどんな場合でも声をかけてきたらバッグを自分に引き寄せるのが大事です。
スキミング
スキミングは日本でも起こっている犯罪ですが、昨今は電子マネーやQR決済などが台頭してきておりニュース等で取り上げられることもあまり無いため、人によってはなかなか注意を向けにくいものの一つかもしれません。
スキミングとはクレジットカードなどを不正にスキャンして勝手に利用してしまう犯罪です。
クレジットカードには接触型カードと非接触型カードがあり、接触型カードはATMや店舗の決済機器にスキャン装置を取り付けスキャン、非接触型カードは専用のスキマー装置をカードに近づけてスキャンする手口があります。
例えば、以下は接触型カードの情報を抜き取る装置がウィーンのATMに取り付けられていた例です。
こちらはお隣のドイツの動画ですが非接触型のカードがスキャンされる様子が分かります。
上記はどちらも古い動画で、今はクレジットカードのセキュリティも進化しているためまったく同じ手法での被害は減っています。
ただ、スキミングとセキュリティの対応はイタチごっこのようなもの。時間が経てば新しい手法がでてくるかもしれませんし、最近ではウィーンのATMごと爆破するという事件も起きました。
気を付けるポイント
接触型・非接触型いずれにおいてもクレジットカードをICチップが搭載されたカードにするのが重要です。
情報が暗号化されているため解析が困難な作りになっています。
最近発行されたクレジットカードなら最初からICチップが付いていますが、有効期限が長くしばらく更新していない磁気ストライプのクレジットカードをお持ちの場合は一度確認してみることをおすすめします。
加えて、ATMを利用する際はなるべく銀行店舗内のATMを利用するようにし、人通りの多い・少ない関わらず路上のATMの利用は可能な限り避けた方が良いです。
路上に設置されたATMが全て危険という事はありませんし、店舗内のものが絶対安全という事もないですが、スキミング装置が設置される可能性で言えば前者の方が高いと思われます。
またカードの挿入口だけが危険というわけでもなく、入力パッドの周囲にカメラが取り付けられていることも。
ATMでパスワード等を入力する際はなるべく片手で死角をつくって入力するなど、簡単にできる工夫はしておいて損はありません。
置引き
直接盗むスリですら本人に気付かれないのですから、置き引きがどれほど簡単に行われてしまうかは想像に難くありません。
しかしシチュエーションが変わるとつい油断してしまうパターンもあります。
例えばですが、電車に乗っていて、隣に知らないスーツの男性が座っていたとします。
途中ふと話しかけられ「トイレに行きたいのでちょっと荷物を見ててもらえますか?」と頼まれたら、大抵は「あっいいですよ」と了承してしまいますよね。
そして相手が戻ってきたら「じゃあ自分も行きたいのでちょっとお願い出来ますか?」なんてやってしまう優しい人が盗まれるわけです。
まず自分の荷物を預ける事で油断を誘うテクですね。
この場合、すぐにバレるのを防ぐため盗られるのは財布の中のお札だけだったりクレジットカードを読まれるだけだったりします。
まぁ、ほんとにトイレ行きたいだけの人もいたりしますが。(私も頼まれた事あります)
気を付けるポイント
レストランのビュッフェなどであっても貴重品はテーブルに置きっぱなしにしない、置いといて良いのは盗まれて良いものだけ、くらいの心がけが重要です。
しかし席座られてしまうかもと、どうしても置いておきたいシーンももしかしたらあるかもしれません。
そういう時のためになるべく目立つ色のトートバッグなどを1つ丸めてバッグに入れておくのも良いですね。
偽警官による詐欺
よく紹介されてる手口ですね。狙われるのは我々外国人。
警察の格好でパスポート見せろやら財布を含む所持品をチェックする等と言ってくるパターンです。
そのあとは財布からお金を抜き取る、クレジットカードを読み取る、没収と称しパスポートを奪い去る等色々あると思いますが、要は権威を盾にして相手に嫌と言わせないことと、警察なら安心と警戒を解くことが彼らの狙いです。
ご存知の通り、本物の警察は通りがかりにパスポートを見せろなんて言ってこないため、応じることなくガン無視して人通りの多いところに出るのが正解です。
彼らは警察なんて目立つ格好をしている以上、本物の警察が通るかもしれないところには行きたくありません。
なので声をかけてくるとしたらむしろ人通りの少ない通りなので、人目の多い場所に出ることは最優先となります。(無理矢理荷物を奪ってこないとも限りませんし)
もしくは自ら交番に行く、警察に電話するなども有効です。
また、我々日本人は他の人がやっていたら自分もやってしまうという習性(?)を持っていますが、仮に周りの人間が荷物を出すような真似をしていてもそれに釣られない様にしましょう。
つまり私たちを信じ込ませるためのサクラです。
ただ、本物の警察でも職質はすることもありますので、もしヘルメットをかぶってバットを背負っている等あなたが奇抜な格好をしている場合はその限りではありません。
同様の手口として、スーパーやブランド店から出てきた時に声をかけるパターンもあります。
現在オーストリアでは、お店で何かを買った後はお店を出るまでレシートを所持していなければならないという法律ができた事が関係しており、要はレシートを持っていないから罰金、払わないなら捕まえるぞと言ってくる手口です。
これに関してはレシート所持義務はあくまで店内なので、本来は店を出た後にレシートを見せろということは基本的には言ってこないです。
気を付けるポイント
オーストリアでの警察への通報番号「133」を覚えておきましょう。救急車などそれ以外の緊急連絡先も覚えておくとベター。
変に絡まれたらとにかく通報、問答無用で通報です。
相手が「通報は必要ない」とか言ってきたらほぼクロです。
旅行の方など、もしドイツ語が話せなくても英語で「I need help!」と今の場所を言えれば最低限大丈夫です。
住所がすぐに分からなくても、街中であれば通りの角の建物などに大体掲げられています。
小遣い請求
オーストリアではあまり見かけないかもしれません。
観光スポットで写真を撮ってあげるよと声を掛け、実際に写真を取った後で「じゃあ5ユーロね」と請求してくるものです。
もちろん支払う必要はなく、無視して立ち去るだけです。
小銭くらいなら…と渡してしまうとエスカレートしてしまう危険もあるので応じないようにしましょう。
レストランのお釣り違い
詐欺とはちょっと違うかもしれませんが。
これは私が実際に体験したのですが、レストラン・カフェでの支払いは現金の場合ウェイターと代金をやり取りする流れなので(金額の数え方はこちら)、レジを通さないところがこの電子決済時代でも結構あります。
なのでお釣りがいくらだったかというのは後からは分からないのですが、このお釣りが間違っていることがあります。(私は長年で経験したのは1回だけ)
特にお札(10ユーロ・50ユーロ・100ユーロ)が間違っていると金額が大きく変わってきますので注意が必要です。
気を付けるポイント
大体でも良いので、支払う際にお釣りがいくらになるのか事前に計算しておきましょう。
そしてお釣りを受け取る時はきちんと金額を数えてから財布に入れるようにしましょう。
金額は渡されたら店員さんの目の前ですぐに確認です。
私の時は50ユーロと10ユーロを間違えられました。
故意か事故か…。もちろん問えば「間違えてしまった」としか言われないので確かめようもありません…。
両替での金額間違い
同じく私が体験したのが、両替所で日本円からユーロへの金額レートが違っていたことです。
気を付けるポイント
こちらの場合も受け取る時にしっかりと確認を。
ちなみに私が間違えられた時に気付いたのですが、どうやら日本円の略称「JPY」に似ている通貨がある様です。
小銭強奪
スタンドでピザを買う時とかスーパーで会計する時とか、小銭をポロっと落としてしまうことってありますよね?
ダッシュで拾ってください。
親切な人、というか普通の人が近くにいれば大丈夫?と拾ってくれたりしますが、それに紛れて拾ったお金をそのまま持ち去ってしまう人間も稀にいます。堂々と。
落とした小銭なんていくらかそもそも分かりませんし、仮に持ち去った人間を捕まえたところでそのお金が元々誰のものかなんて簡単に証明できません。
特に人の多いところではポロっといかないように注意しましょう。
意識次第で危険は減らせる
他にも色々な手口がある様ですが、
- 見知らぬ人と話す時
- お金のやり取りをする時
- 誰かが近くにいる時(特に後ろ)
は、もう鉄壁の構えで全てに注意するくらいで慣れない内はちょうど良いです。
こう言うとすごく大変そうには聞こえますが、慣れると直感で「今は注意した方が良さそう」とピンとくるようになるので気疲れすることもなりません。
常時スーパーサイヤ人でいる事でそれが普通の状態になるとドラゴンボールの悟空も言っていましたが、そんな感じです。
また、以下の情報は事前に確認しておくことも大事です。
- スマホ操作保護のPIN設定
- スマホのIMEI番号
- クレジットカードの緊急時のサポートデスク電話番号
あと傾向としては、体格の良い男性よりも小柄な女性の方が狙われやすいです。
特に男性はガタイが良いと狙われにくいので、筋トレをしておくというのも長い目で見れば無関係ではなさそう。やはり筋肉は全てを解決するのかもしれません。
色々ご紹介してきましたが、冒頭でも少しお話した通りオーストリアの治安は世界的に見ても良い方なので、正直言えばこういった被害に出会う確率はそう高くありません。
ただ、観光客が集まるようなエリアでカメラ片手に上ばっかり見上げてフラフラしているといつの間にか悪い人たちのターゲットになってしまいます。
旅行の方はもちろんオーストリアにお住いの方も、そんな被害に遭う事なく楽しく過ごせるご参考になれば幸いです。
知っておいて損はない!オーストリアのマナーについて
コレクター魂が熱くなる!ユーロの硬貨について
【Vienna City Card】本当に元取れる?ウィーンの割引特典付き交通機関チケット
ちゃんと届く?日本からオーストリアに郵便を送る方法
オーストリアですぐに使える3分ドイツ語
【チケットの選び方】ゼロから分かるシェーンブルン観光【地図あり】
オーストリアの郵便局と国内・日本へ荷物を送る方法
【ばらまき用】オーストリアのスーパーで買えるお土産用お菓子ブランド
種類がたくさん!ウィーン市内の交通手段・チケットや乗り方編
どうやって美味しく食べる?ドイツ・オーストリアのザワークラウト
初めてだって怖くない!オーストリアへの入国について
ここはどこ?オーストリアの住所・郵便番号・階の数え方について