自転車ルールも要チェック!ウィーンのCitybikeとその乗り方
ウィーンでは自転車も主要な交通機関の一つとして数えられており、自転車のための諸々のバックアップもかなりしっかりしています。
「いや、日本だって別にみんな自転車乗ってるじゃん?」と思うかもしれませんが、例えば通勤・通学でこんな道走ってみたくないですか?
これはウィーン市内中心部の自転車風景ですが、こんな風に広々とした自転車専用レーンまでしっかり用意されています。
もちろんすべての道路にこのようなスペースがあるわけではなく、小道・狭い道では自動車と並んで走る必要もありますが、それでも日本の様に歩道と車道の白線の間のわずかな隙間を綱渡りのように走ることはなく、せせこましい思いをしなくて済むのはウィーンの誇れることの一つだと思います。
自転車ねぇ、まぁあったらいいかもだけど…
わざわざ海外で買うほどでは無い?ですよね。
なのでレンタルすることが出来ます。
!ご注意
以下「Citybike」をご紹介していますが2022年3月以降でサービスは終了し、後継の「WienMobil Rad」が4月から開始となりました。(詳しくはこちら)
Citybike!
「Citybike」はウィーン市が提供している自転車レンタルサービスです。
一番の特徴が市内各所にある専用のステーション(自転車置き場)で(2018年時点で121か所!)、それぞれの場所で端末を操作して自転車を借りる・返すことが出来るようになっていること!
地下鉄駅の近くのステーションで自転車を借りて、自宅の近くのステーションで自転車を返す、なんて使い方ができる訳ですね。
これが非常に使い勝手が良く、また料金も非常に良心的(無料から! 😉 )なため、ウィーンでは老若男女問わず自転車に乗っている人が多いです。
金額は無料から!?
最初に登録料1ユーロが掛かりますが、自転車のレンタルは1時間までは無料で使うことが出来ます。
- 1時間以内:無料
- 2時間以内:1ユーロ
- 3時間以内:2ユーロ
- 4時間~120時間以内:4ユーロ(1時間ごと)
安すぎて逆に不安になるかもしれませんが、この料金は自転車をステーションで借りてから返すまでの時間です。
午前に借りて30分走って返す→午後に借りて50分走って返す、というような場合でも両方1時間以内の利用なのでもちろん無料で済みます。
じゃあほとんど無料みたいなものじゃん!
その通りです。
ちなみに返してから間髪入れず借りる時間の補給みたいなことはできず、最低15分時間を空ける必要があります。まぁそれでも15分ですからすぐみたいなものですね。
なお、これは別に非公式な事ではなくちゃんと公式サイトに載っているTippですので安心して15分スタンバってください。
https://citybikewien.at/de/tarife
また上記の料金で120時間までとなっているのは、5日以内に返却が無いと自動的に600ユーロ請求されることになっているため。
利用には必ず個人情報の登録が必要なため、盗難された場合・やむを得ない事情で返却できなかった場合のことを想定しての金額なのかなと思います。
結構絶妙ですよね。600ユーロ払ってまで中古の自転車盗む人もいないでしょうし、悪意が無い(例えば事故とかで本人が返せない状況)としても600ユーロで請求が頭打ちになるので。
旅行者でも使える!Citybikeの登録方法
請求先さえあればいいのでオーストリアに住所を持っている必要はなく、旅行者でも普通に登録・利用することが出来ます。
登録方法1:Bankomatkarte
これはオーストリアの口座引き落としカードです。
オーストリアの銀行で口座を開いていれば自然と手に入れているはず。(銀行口座についてはこちら)
事前に公式サイトで登録しておいてステーションで差し込むか、登録しないで直接ステーションに差し込んでも良いです。※
事前登録しておけばステーションで諸々入力しなくて済む、という感じ。
登録方法2:Kreditkarte
クレジットカードです。
これも事前に公式サイトで登録しておいてステーションで差し込むか、登録しないで直接ステーションに差し込んで良いです。※
同じく事前登録しておけばステーションで諸々入力しなくて済む、という感じ。
利用可能なブランドはVISA・MasterCard・JCBとなっています。
登録方法3:Citybike Card
Citybike専用のカードです。
「え、クレジットカード?なんかおっかない 🙁 」という方におすすめ。
公式サイトでPDFをダウンロードし、サインをした上で郵送すれば約3週間後に手元にカードが届きます。
登録方法4:Tourist Card
一言で言えば「Citybike Card」を1日3ユーロで「レンタル」出来ますよ、というものです。
自分の名義を登録する必要が無いのがメリット。
ウィーン中央駅「Hauptbahnhof」内の「die Rad STATION」で借りることが出来ます。(あと一部のホテルでも貸し出しているらしいですね)
Am Hauptbahnhof 1, A-1100 Wien
レンタルなので返さなくてはいけないこと・自転車のレンタル料+カードのレンタル料がかかるデメリットはありますが、1日2日でちょっと自転車に乗ってみたい、けど登録はちょっと…という方におすすめ。
※Bankomatkarte・Kreditkarteは事前登録必須ではないものの、正直推奨です。入力であたふたしなくて済みます。
ステーションの場所
計121か所。大体大通りに面していることが多いです。
下記ページで確認できます。
地図
https://www.citybikewien.at/de/stationen/stationenplan
リスト
https://www.citybikewien.at/de/stationen/stationenliste
ルート確認
https://www.fahrradwien.at/routenplaner/
自転車の空きに注意!
上記ページを見てもらえれば分かりますが、自転車の空き・停めるスペースの空きは必ずあるわけではないため要チェックです。
自転車の空きが無いのはまだ良いのですが、特に困るのが停めるスペースが無い場合。
中心部であれば1~2分探せば他にもステーションは見つかりますが、離れるほどステーションの数も減ってくるため空くのを待つかちょっと戻ってトラムに乗ってくるかとか決断しなきゃいけなくなったりするので、空きスペースは要チェックです。
- 5 freie Räder = 5台の空き自転車有り
- 5 freie Bikeboxen = 5台の空きスペース有り
季節にもよりますが、リンク内中心部・観光名所の近くが混雑していることが多い他、学校周辺・端のエリアも多少混むことが多いです。特に春・夏ですね。
というか冬も乗れるの?
一応自転車自体は冬も乗っていいことになっていますが、防寒対策は必須です。ただ、雪も降るので滑ります。
アプリも入れといたほうが良い!
色々ありますが、一つは入れておかないとステーションの場所分からなかったりするので入れときましょう。
どれもステーションの場所・空きを表示してくれる機能、ルートを表示してくれる機能がメインです。
https://www.citybikewien.at/de/stationen/apps
大体どれも使いやすいのですが、「Wiener Linien」の「WienMobil」はウィーン市内交通機関のチケット購入・停止情報表示等も兼ねているのでおすすめです。
https://www.wienerlinien.at/eportal3/ep/channelView.do/pageTypeId/66526/channelId/-3600060
2020年ステーション削減について
2020円7月13日からCitybikeの運営資金の関係で約60のステーションが閉鎖となりました。
郊外部にはあまり影響はないようですが中心部で乗り降りされる方はこれまで以上にステーション空きに注意。
2020年8月末から閉鎖されたステーションが復活し、今まで通り利用できるようになりました。
自転車を借りる方法
- 借りたい場所のステーションに行ってカード(上記のBankomatkarte・クレジットカード・Citybike Card・Tourist Cardのどれか)を挿入。
- 事前登録してない場合等はここで情報を入力します。
- カードを抜く。
- 借りたい自転車の番号を押す。
- その自転車のロックボタンを押すと施錠が外れるので完了です。
ひとつ気にしたいのが、自転車によって具合が違うようでサドル調整がうまくいかなかったりブレーキレバーが硬かったりすることもあるので借りる前にチェックしておいた方が良いかもしれません。(それでも乗れないレベルのものはないです)
自転車を返す方法
借りる時と逆の手順です。
空きの自転車スペースに自転車を差して完了。
ただ、きちんとロックされたかどうかは必ずチェックしましょう。(ランプが緑になっているはず)
ロックされていないとレンタル時間は計測され続けるため、請求がすごいことになってしまいます。
ウィーンでの自転車の乗り方!
やっと本題です。
日本では自転車は車両扱いなものの、割とフランクな存在で歩道走ったりもしますよね?
しかしウィーンでは自転車の走る道は専用で決められており、それが無い場合に限り車道・歩道も走ることになります。
大きな通りだと自転車レーンに色が塗られているので分かりやすいです。
また日本では見かけない自転車用の標識と言うのも多数あり、「一時停止」等の簡単なものから予備知識なしだと何のことやらという標識もあるため、もし乗る予定があれば一応サラッとでもいいのでチェックすることをおすすめします。
基本は右側走行!
日本では特に意識する必要のないことですが、とにかく右側を走りましょう。というのも自転車専用レーン内で対向車とすれ違う時も右対右が基本だからです。
左側を走っていたら間違いなく対向自転車とディフェンスの掛け合いみたいになります。
交通機関へ乗せていいの?
トラム(Strassenbahn)・バス(Autobus)へは自転車を持ち込むことはできません。
地下鉄(U-bahn)へは時間限定で可能です。
持ち込み可能時間
月~金(祝日を除く) 9:00~15:00、18:30以降
土日祝日 1日中
通勤・通学ラッシュの時間帯を除く、ということですね。
電車(S-Bahn)へは「Wiener Linien」の通常乗車券の割引版(例えば「1 Fahrt WIEN ermäßigt(1回片道の割引版チケット)」)等を購入する必要があります。
もしくはJahreskarte(年間チケット)を持っていれば追加でチケットを買うことなく持ち込むことができます。(ウィーン市内交通チケットについてはこちら)
また、S-Bahnの方は時間帯制限はありません。
禁止されていること
ハンズフリーを除き、スマホ操作は禁止です。違反が見つかった場合50~72ユーロの違反金が発生しますので注意!
他、飲酒運転等がアウトなのは日本と同じ。
主要な罰金一覧
- 赤信号無視:70ユーロ
- 一時停止無視:50ユーロ
- 飲酒運転:800ユーロ
- 走行中の携帯端末通話:50ユーロ
- 歩行者専用道路の走行:30ユーロ
- 一方通行逆走:50ユーロ
Fahrradpolizei?
「Fahrrad(自転車)」「Polizei(警察)」です。
警官が自転車に乗ってるって個人的にはなんか新しいですが夏はやっぱり違反が多くなるようでたまにニュースでやってますね。
道路標識
「Verkehr(交通)」「Zeichen(マーク)」「Schild(盾、標識)」でVerkehrszeichen、Verkehrsschild(道路標識)と言います。
全てではないですがよくあるやつです。
自転車の横断道路有りの意味。
自転車専用道路。この標識がある通りの場合、自転車は専用道路以外を走ってはいけません。
自転車・歩行者共通道路。この標識がある場合自転車・歩行者は共通道路を通る必要があります。
歩行者が左・自転車が右の専用道路。同じく専用道路を通る必要があります。
自転車が左・歩行者が右の専用道路。同じく専用道路を通る必要があります。
共通道路・専用道路ここまでの意味。
脳裏に「止まれ」やら「徐行」がチラついてややこしく思うかもしれませんが、これは優先させる道路の意味。自分(自転車)を優先する訳ではなく、他の交通を優先させる標識です。
一時停止。これは初見で大丈夫ですね。
この先自転車横断道路あり、の意味。つまりどちらかというと自動車の運転手に見てもらう標識です。
自転車・歩行者横断道路あり、の意味。
自動車・自転車・歩行者共通道路(時速20km制限)。
自動車・自転車・歩行者共通道路ここまでの意味。
自転車専用道路。ただし配送車両やごみ収集車両等も通る可能性があるため注意は必要。(時速30km制限)
自転車専用道路。丸形との違いは自転車は専用道路を走る義務はない、という事です。
自転車・歩行者共通道路。同じく丸形との違いは共通道路を走る義務はない、という事です。
自転車が左・歩行者が右の道路。同じく丸形との違いは専用道路を走る義務はない、という事です。
共通道路・専用道路ここまでここまでの意味。
住宅ゾーン。子供の飛び出しとかに注意!という意味。
歩行者ゾーン。「ausgenommen Fahrrad」と書かれた追加のボードがある場合にのみ自転車運転が許可されます。
一方通行。「ausgenommen Fahrrad」と書かれた追加のボードがある場合にのみ自転車の双方向運転が許可されます。
信号機
信号については特に分かりにくいことは無く、赤・青で止まれ・進めなので迷うことは無いと思います。
なんか難しそう…
ここでもう一回最初の動画を見てみてください。
多分最初は目に入らなかった色々な標識が飛び込んでくるのが分かります。
気になる方は下記リンクも見てみてください。
https://www.fahrradwien.at/tipps-und-regeln/
https://www.wien.gv.at/verkehr/radfahren/bauen/verkehrszeichen.html
https://www.oeamtc.at/thema/fahrrad/
とはいえそんな難しく考える必要はなく、実際乗ってみると分かりますがなんとかなります。
冬はともかく普段は自転車もたくさん通っているので流れについていくだけで大丈夫です。
よく分からない標識も市内を30分、1時間と走っていれば他の人を見ながら嫌でも分かるようになるので全然怖がる必要はありません。
ただ、上記の通り違反だけは切られないように注意しないとせっかくの自転車ライフももったいないことになってしまいますので、そこだけは気を付けつつウィーンの自転車道を気持ちよく走ってみてください!
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