【元取れる?】Vienna PASS・Vienna FLEXI PASSでの観光スポットの回り方
今回はウィーン観光時に使える「Vienna PASS」「Vienna Flexi PASS」を購入して、元を取りつつお得に観光するためにはどうしたら良いかをご紹介します。
公式サイトはこちら。
https://www.viennapass.de/
結論から言えば、Vienna PASSは旅行慣れしているか体力ある方向け、Vienna Flexi PASSは小さく確実に元を取りたい方向けのチケットです。
また、時間配分や使いどころを誤ると逆に損をする可能性もあるということは事前に知っておく必要があります。
Vienna PASS・Vienna Flexi PASSの購入方法
以下の公式サイトでオンライン購入するか、ウィーン中心部にあるサービスセンターにて購入することが出来ます。
https://www.viennapass.de/shop
ウィーン パス & ウィーン観光ツアーサービスセンター
国立オペラ座の向かい
Opernring 3-5 17/24, A-1010 Wien
営業時間
月~日 9:00~18:00
受け取り方法は以下の通り。
- モバイルパス:即時利用可
- センターで受け取り:注文後当日利用可(パスポートなどの写真付き身分証明書が必要)
- オーストリア国内発送(配送料7ユーロ):注文後約5日で配送
- EU圏内発送(配送料10ユーロ):注文後約6~10日で配送
- EU圏外発送(配送料15ユーロ):注文後約15~20日で配送
モバイルパスのみスマホ画面(ブラウザ)で見せる形になり、それ以外は紙のカードを持ち歩くことになります。
日本からの注文だと約3週間近くかかり配送料もかかってしまうため、シンプルにウィーンに着いてから受け取るか、現地でのスマホ回線の準備が出来ている場合はモバイルパスの利用をおすすめします。
チケットの詳細
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Vienna PASS
端的に言えば、ウィーン市内の人気観光スポットのフリーパス。
多くの場所に行けば行くほど元を取れる可能性が高くなる、というわけですね。
このチケットの特典は以下のセットになっています。
- ウィーンで人気が高い最大90ヵ所の観光スポットや美術館への入場料が無料
- ウィーン市内を周遊する観光ツアーバス「HOP ON HOP OFF」が無制限に乗り降り可能
- 無料ガイドブック冊子が貰える(ドイツ語・英語・イタリア語・スペイン語・フランス語)
- 特定の観光スポットでの優先入場権(ファストパス)
以前ご紹介した「Vienna City Card」などとは異なり、ウィーン市内の公共交通機関は無料にはならないので別途購入する必要があります。(観光バスについては後述)
一応上記サイトで購入時に24時間・48時間・72時間のチケットをオプションで追加購入することが出来ますが、現地でも同じ値段で普通に買える他種類も多いので、無理にここで買う必要はありません。
あと冊子は日本語対応していないので、正直記念品扱いです。
Vienna PASSの金額一覧
- 1日チケット:大人89,00ユーロ(子供47,00ユーロ)
- 2日チケット:大人127,00ユーロ(子供65,00ユーロ)
- 3日チケット:大人159,00ユーロ(子供79,00ユーロ)
- 6日チケット:大人199,00ユーロ(子供99,00ユーロ)
※子供対象となるのは6歳~18歳まで。
Vienna PASSで元を取るには?
記事公開時点では全チケット10%割引のキャンペーンも行われており若干元を取りやすくなっていますが、ここでは元の値段で見て行きましょう。
例えば1日チケットであれば、89ユーロ分以上の提携観光スポットに行くことが出来れば元を取れる、という事になります。
聡明な皆さんは既にお気づきの様に、
- なるべく入場料が高い場所
- なるべく近い(=移動時間を少なくできる)場所
を優先して選択していくのがポイントです。
ところが提携観光スポットの入場料は場所によって3~30ユーロ弱と様々で、いくつ回れば良いかを一概に計算することは出来ません。
そこで、多くのスポットが密集しているシェーンブルンを例に考えてみましょう。
こちらの記事でも詳しくご紹介していますが、シェーンブルンにはよく知られている宮殿ツアー以外にも動物園やグロリエッテ展望台など様々なアトラクションや庭園に足を踏み入れることが出来ます。
このVienna PASSでも、その全てではないものの多くの施設への入場が無料の対象になっています。
Vienna PASS提携のシェーンブルン施設本来の入場料
- Schloss Schönbrunn(宮殿ツアー)
22,00ユーロ - Schloss Schönbrunn VR(VRツアー)
19,90ユーロ - Tiergarten Schönbrunn(動物園)
27,00ユーロ - Gerstner K. u. K. Hofzuckerbäcker Show(ゲルストナーの調理ショー)
9,50ユーロ - Gloriette Schönbrunn(グロリエッテ展望台)
5,00ユーロ - Irrgarten Schönbrunn(迷路庭園)
5,00ユーロ - Kaiserliche Wagenburg Wien(馬車博物館)
12,00ユーロ - Kindermuseum Schloss Schönbrunn(子供博物館)
8,50ユーロ - Kronprinzengarten Schönbrunn(皇太子庭園)
5,00ユーロ - Orangeriegarten Schönbrunn(オランジェリー庭園)
5,00ユーロ - Wüstenhaus Schönbrunn(砂漠の家)
8,00ユーロ - Panoramabahn Schönbrunn(パノラマ鉄道)
15,00ユーロ - Schönbrunn: Transfer-Bahn Tirolerhof & Zoo(パノラマ鉄道 / 動物園内ルート)
3,00ユーロ
仮にこのすべての施設を回ることが出来れば144,90ユーロの入場料分となり、1日チケットどころか2日チケットでも十分元を取れる計算になります。
「なるほど…あれ、余裕じゃね?」と思った方は要注意。
問題は時間との闘い
一般的に、1日の内で観光巡りに費やせる時間はだいたい9時~5時の8時間ほど。
その内休憩や昼食の時間を考えるとせいぜい5~6時間が現実的です。
一方、シェーンブルン宮殿ツアーと動物園だけでも通常半日は潰れます。
かなり駆け足でジャンジャン流し見で進んだとしても、上記の全てを堪能するのは1日ではほぼ無理です。
上述の様に「2日間でも元取れるんでしょ?」と思うかもしれませんが、そもそもせっかくのウィーン観光で丸2日間シェーンブルンにこもりっきりというのもかなりもったいない話。ウィーンには見るべきものも味わうべきものも他にたくさんあります。
…そう、つまり無料だからとアレもコレも回っているとすぐに時間が足りなくなってしまうわけです。
言い換えるなら、入場料が高めの場所をピンポイントで取捨選択していく、ということがVienna PASSで元を取るために最も重要なポイントになります。
観光スポットの選び方
実際の所ウィーンでの観光に徒歩移動はつきものですし、慣れない石畳の上となればなおさら疲れは貯まりやすく、ちょくちょく休憩を入れながらとなると大体4~5ヵ所くらいが1日で回れる限界です。
それをふまえると、おおよそ15~20ユーロの入場料がかかるスポットをメインにプランを立てていく必要が出てきます。
先ほどのシェーンブルンを例に挙げるなら、宮殿ツアー・VRツアー・動物園くらいで切り上げて、アルベルティーナやドナウタワー・美術史美術館などを狙っていくと効率良く観光することが出来ます。
必ず乗りたい遊覧船
提携スポットの中でも特におすすめなのが遊覧船ツアー「City Cruise」。
ドナウ川に沿ってのんびりとウィーンを周遊するルートで約1時間15分と時間もそれほどかからなく、元のチケット料金も29,50ユーロと他に比べ高額。
歩く必要もなく体験のレア度をふまえても必ずプランに入れておきたいスポットです。
唯一の欠点として天候が悪いと景色も良くなく、最悪運休となったりする可能性があるため、特に天気の変わりやすい秋から冬にかけては当日の天候を見ながら決める必要があります。
チケット期限の注意点
このチケットは購入した瞬間に期限が決まるのではなく、提携スポットに入場したりバスに乗ったりと初めて利用した日からカウントが始まるということです。
例えば3日チケットを事前に購入したのがいつであれ、月曜日に初めて使ったのであればその週の水曜日が期限となります。
また、期限は時間単位ではないことにも注意が必要。
月曜日の夕方18時に初めて使ったとしても、72時間後の木曜日18時まで使えるわけではなく、あくまで3日後の水曜日いっぱいが期限になるということです。
言い換えれば、使い始めるのは当日午前中からがベターと言えます。
提携プランの注意点
公式サイトでも一切触れられていないのでなかなか気づきにくい点ですが、観光スポットによってはこのチケットで無料になるプランがいわゆるベーシックプランに限られている場合があります。
例を挙げるとシェーンブルン宮殿ツアー(22ユーロ)は、宮殿内の9部屋のみを観覧するシンプルなプランです。
実際には全40部屋を回るグランドツアーや西側・東側を中心に回るツアーもあります。
そのためシェーンブルンの宮殿を無料で見られると言っても全てではない、ということは事前に知っておく必要があります。
あるいは上述の遊覧船ツアーもいくつかあるルートの一つ(Cルート)で、実際にはより広範囲を回るルートもあります。
また、このチケットで無料になるのは乗船に対してのみで、ツアー公式サイトではさらにランチやデザートが付いたコンビチケットもあり、このチケットでの乗船時に食事をしたい場合は別途単発で注文する必要があります。
他施設でも、そういった無料になるプラン、ならないプランの種類が存在する場合があるので、特に堪能したい場所では注意が必要です。
その他、このチケットで無料になる、あるいはさらに優先的に入場できる場合でも、事前に予約が必要な場所もあります。
予約が無い場合はチケットを持っていても待ち時間が発生しますし、混雑時には当日は既に満員…といった可能性もあるので、出来る限り行き先は上記公式サイトでチェックしておくことも重要です。
ウィーン市内観光バスも使えるけど…
HOP ON HOP OFF。
これは専用の観光バスに乗りながら、ウィーン市内中心部をスイスイ回れるというもの。
コースは3種類あり以下のページで確認可能です。
https://www.bigbustours.com/de/vienna/wien-routen-karten
ちなみにVienna City Cardでも同様に無料で乗車することが出来ます。
ただ、誤解してはいけないのがこのバスが公共交通機関の代わりにはならないということ。
市内を回るといっても止まるバス停は限られていますし、運行時間も夕方18:30には最終運行です。
市内の土地勘があれば役に立つ場合もありますが、あくまで移動手段の補助としてであってメインにはなり得ません。
これは個人的な意見ですが、観光目的で乗るとしてもバスからヒュンヒュン眺めているだけでは大した観覧はできないので、正直これに乗れるという点はあまりメリットとしてカウントしない方が良いかもしれません。
本当に観光する時間が数時間しか無くて、それでも街の雰囲気を味わいたいとかであれば別ですが…。
Vienna PASSにおすすめの方はこんな方
上記のことから、このチケットを最大限使い倒し存分に元を取れるのは
- ヨーロッパ旅行に慣れていて歩き疲れしにくい方
- 多くのスポットを回れる、体力に自信のある方
- 事前にプランを立ててからたくさんの行き先を決めたい方
- カフェや食事よりも観覧に時間を割きたい方
などです。
Vienna FLEXI PASS
Vienna PASSと内容は似ていますが、大きく違うのが行き先の数によって値段が変わること。
2ヵ所チケットなら2か所で元を取れるか、3か所チケットなら3か所を回って元を取れるかがキモになります。
このチケットの特典は以下の通りです。
- ウィーンで人気が高い最大90ヵ所の観光スポットや美術館から任意の数だけ入場料が無料
- ウィーン市内を周遊する観光ツアーバス「HOP ON HOP OFF」が無制限に乗り降り可能
- 無料ガイドブック冊子が貰える(ドイツ語・英語・イタリア語・スペイン語・フランス語)
- 特定の観光スポットでの優先入場権(ファストパス)
こちらもVienna PASS同様ウィーン市内の公共交通機関は無料にはならず、別途購入する必要があります。(観光バス他については上述と同じ)
Vienna FLEXI PASSの金額一覧
- 2ヵ所チケット:大人49,00ユーロ(子供27,00ユーロ)
- 3ヵ所チケット:大人67,00ユーロ(子供37,00ユーロ)
- 4ヵ所チケット:大人85,00ユーロ(子供45,00ユーロ)
- 5ヵ所チケット:大人99,00ユーロ(子供55,00ユーロ)
※子供対象となるのは6歳~18歳まで。
Vienna FLEXI PASSで元を取るには?
記事公開時点では全チケット10%割引のキャンペーンも行われており若干元を取りやすくなっていますが、ここでは元の値段で見て行きましょう。
例えば2ヵ所チケットであれば、2か所の観光スポットの入場料が49ユーロ分以上になれば元を取れる、という事になります。
既にお気付きの様に、いずれのチケットも平均20ユーロ強(今は10%割引なので20ユーロ弱)の入場料がかかるスポットを選べば良いだけなので、容易に事前判断が出来るのがメリットですね。
Vienna FLEXI PASS提携で入場料20ユーロ以上の施設
- City Cruise(遊覧船ツアー)
29,50ユーロ - House of Habsburg Tour(ハウス・オブ・ハプスブルク)
23,00ユーロ - House of Strauss – Museum Konzert Restaurant(ヨハン・シュトラウスの住居)
23,00ユーロ - Kunsthistorisches Museum(美術史美術館)
21,00ユーロ - Madame Tussauds(マダム・タッソー蝋人形館)
26,00ユーロ - Parndorf Shuttle Bus zum Shopping Outlet(アウトレットパルンドルフシャトルバス)
21,00ユーロ - Schloss Hof & Schloss Niederweiden(ホーフ城&ニーダーヴァイデン城)
21,00ユーロ - Schloss Schönbrunn(シェーンブルン宮殿ツアー)
22,00ユーロ - Tiergarten Schönbrunn(シェーンブルン動物園)
27,00ユーロ
やはり金額的にも時間的にも遊覧船ツアーは外せません。
そもそも元を取れないスポットもある
単純な話で、例えば本来の入場料が8ユーロのベートーベン博物館やアウガルテン磁器博物館でこのチケットを使ってしまうと、その時点で元を取れる選択肢がほぼ無くなるということになります。
元々あまり入場料が高くない施設が選べてしまうことがそもそもどうなの?という気はしますが、選択ミスが無いよう注意が必要ですね。
有効期限が長い
このチケットの大きなメリットが有効期限が60日もあること。
例えば3か所チケットであれば3か所を60日以内に回れば良いということなので、Vienna PASSのように時間的に切羽詰まることがありません。
とは言え観光で60日=2か月間も滞在することも稀かと思いますので、ご自身の旅行日数に合わせて何ヵ所回るかを検討する必要があります。
Vienna FLEXI PASSにおすすめの方はこんな方
上記のことから、このチケットがおすすめなのは
- 観覧スポットよりもカフェやレストラン巡りを重視したい方
- 観光出来る時間が半日程度のタイトなスケジュールの方
- 1週間以上など長期の観光スケジュールが持てる方
- 体力的にあまり多くのスポットを回る自信がない方
などです。
必ずお得になるとは限らない
ここまでご紹介してきた通り、これらのチケットは買っただけでお得になるのではなく、どれだけ使ったかで初めてお得だったかどうかが決まります。
ですので行き先をあまりガン決めしないでぶらりと観光したい方や、逆に元を取ることに夢中になってしまい観光を楽しめなくなってしまうタイプの方におすすめできるものでもありません。
※ちなみに購入後全く使わなかった場合は、購入後30日以内であれば100%、それ以降は90%の返金保証も付いています。
観光に充てられる日数やスケジュールなどをふまえて買うべきかどうかのご参考になれば幸いです。
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