【旅行者注意】オーストリアで出会う小銭泥棒たちの手口

誤解の無い様に最初に言っておくと、オーストリアはヨーロッパの中でも安全な方で、全く気を付けなかったとしてもこういったちょろまかしに全然出会わない可能性は十分あります。

せっかくのオーストリア旅行を楽しむために「そんなんでイチイチ気にしたくないから」って決めてしまうのもアリです。

しかし私の様に1円1セントたりともかすめ取られるのはイヤだ！って方には是非知っておいてほしい、ボラれの手口についてご紹介します。
ちなみに今回は現金ごまかしにフォーカスしますので、一般的な詐欺・スリなどについてはあまり触れません。

レシート・領収証の無い買い物や支払いでの手口

真っ先に気を付けるべきシーン。
旅行ガイドブックやネットでも散々紹介されていますが、例えば以下の様なものです。

屋台・露店での買い物

ケバブやレバーケーゼなど商品の受け取りと代金の支払いが同時なので一見問題が起きなさそうですが、一番あるのがお釣り硬貨のごまかしです。
ちょろまかしておきながらニッコニコで食べ物を手渡されると、人間細かいことは見落としてしまいやすいです。
ちなみに私は釣銭だけをガン見がデフォ。

毎度代金ちょうどを支払うのは現実的ではない以上、いくら渡したらいくら返ってくるかの計算をさっと出来るようにし慣れておくしかありません。

もう昔の話ですが私の事例をご紹介しますと、2,20ユーロのピザ切れに2,30ユーロ渡したことがあります。
10セント硬貨と20セント硬貨ってパッと見だと間違えやすいので店員さんが気付かなかった可能性もありますが、まぁ渡した方のドジですね。（というか10セントで覚えてんのどんだけ）

頼んでないのに写真を撮ってやったなどの見返り要求

どちらかというと詐欺ですね。
イタリアとかではよく聞きますが、ここオーストリアでは実際あまり見かけることはありません。
ただ、全くいないというわけでもないので注意は必要です。

近づいてきたら無視がベスト。

買い取ってもらわないと困ると言いながら無理やり手に取らせたゴミ自作の絵やCDなどの販売

これもよく聞くやつですね。

商品の実物がある以上詐欺とも言い切れない手口なのが厄介です。
すごい勢いで手に持たせようとしてくるのはまだ優しい方で、わざと踏まれやすい地面に並べたり、アクセサリー系だと「ちょっとつけてみなよ」なんて言ってくるんですよね。

怪しいと思ったら近づかないのがベスト、もし手に取ってしまった場合でもそれだけで買わなければいけない理由にはならないので、普通に立ち去って良いです。

タクシーでの支払い

これはしばしば聞きます。
ただ、旅行者が多く一般的には狙われやすい空港までの区間については、ウィーンはかなり親切な公共交通機関が整備されているのでタクシー利用での被害者もそこまで多くないんじゃないかと思います。
いずれにしてもメーターがたまたま壊れていた、荷物が普通より多かったなどの難癖をつけてレシートを出さないパターンがほとんどですので、怪しいなと思ったら（思わなくても）乗る前に「領収証が欲しい」と予め伝えておくのが大事です。

「30ユーロポッキリね！」なんて口約束も正直あまり信用しない方が良くて、そういう意味でも「会社に提出しなきゃいけないから」といった理由付けができる領収証は便利です。

レシート・領収証のある買い物や支払いでの手口

そんなことあるのかと思われるかもですが、あるんですよね。

レストランでの支払い

ボラれやすいのが現金での支払い時。

飲み食いした分の金額・チップの金額を確認しておくのももちろん大事ですが、それ以上に大事なのがお釣りの受け取り時。
30ユーロの支払いで100ユーロを渡して30ユーロしか返してもらえなかったパターンが本当にしばしばあります。
どういう事かと言うと、お釣りが本来70ユーロ返ってくるべきところを…

50ユーロ札1枚 + 10ユーロ札2枚かと思ったら10ユーロ札3枚だった
「お釣りが70ユーロだから…」と10ユーロ札を1枚づつ渡して「80…90…100!ピッタリね！」と10ユーロ札3枚だった

というパターンです。
特に2.の例については説明を見ても理屈がトチ狂ってるのは明らかですが、上手い人だと本当にその場の雰囲気に押し切られてしまいかねません。
実際私もコレやられた経験があって、一緒に食べていた友人も何も疑問に思わなかったんですが、手に取ったお札を見て「…え？おかしくね？」と気付き店員さんにもう一回確認してもらったらちゃんと返してもらえました。（本気で間違えていた、と思いたい…）

ちなみにクレカ等での決済なら100%安心というわけでもないのですが、少なくとも上記の様なちょろまかしは起きないメリットはあります。

両替所での両替

まさか信頼のできそうな両替所でボラれるとは思わなかった…？
まさかオーストリアに降り立ったしょっぱなから空港でボラれるとは思わなかった…？

だからこそやる人がいるんです。

両替所では手数料は予め表示されているレートに上乗せされているか、両替時に手数料として引かれるかがクリアになっているため、そういう部分でのちょろかましというのはほぼ無いはずです。というかそこまでいくとお店自体が詐欺案件ですし。
まれに手数料込みのレートがどこぞのペリカ並の両替所もありますが、そういうのは事前に判断できるのが救い…。

しかし、やはり問題なのは現金の受け渡し時。
大まかに2パターン存在します。

レシートの両替額と実際の手渡し額が違う
そもそも日本円じゃない通貨のレートで計算し、日本円でそれを手渡す

1.はまぁすぐに分かるものではありますが、上述のようにちゃんと自分の手に取る前に確認することが、言い逃れを防ぐためには大事なことです。
2.は結構見落としがち。
これは私が実際にやられそうになったんですが、たしか「JMD」だか「JOD」だか略称が似たような通貨があるんです。
でも出てくるのは日本円なので気付きにくいですし、明らかにそのつもりで間違えてますよね…。
その時は予めいくらもらえるかを確認していたのですぐに分かったのですが、私の知り合いはまんまと引っかかった経験があります。

現金支払いの罠

大事なポイントは「証拠が残らない」現金支払いでのぼったくりが圧倒的に多いということ。

その場限りのやり取りで後から確認が困難・不可能だからこそ、現金の支払いが最も危険なんです。
極論を言えば、一度お釣りを手に取ってしまったらこちらが「お釣りを少なく受けとった、と嘘を言っている」という主張を相手が通すことができてしまうため、しつこい様ですがお釣りを受け取る際は「手に取る前に」金額を確認するのが最も安全です。

「そこまでする必要ある？」と思うかもしれません。

私もそう思いますし、常にそこまで注意できているかと言えばそんなことはありません。

しかし、そこまでしなかった多くの人生の先輩たちがはらわたを煮えくり返しながら嘆いていることも忘れないであげてください。