英語でも日本語でもそうですが言葉の意味は知っていても使い方が分からない・似たような単語がいくつもあって違いが分からない、というのはよくあることです。
あるいはBaumkuchen(バウムクーヘン)のように日本語になっているドイツ語でも、実はちょっと意味が違うなんてものもあります。
自分も言われて間違いに気付くことはたくさんありますが、特に日常生活でよく出てきそうなものをまとめてみました。
die/eine Arbeit{アルバイト}(仕事・職業)
労働全般に対して「Arbeit」というので日本での短期労働・非正規雇用の意味合いではないです。
じゃあそういう「バイト」はなんて言うのかって話ですが「Vollzeit(フルタイム)」「Teilzeit(パートタイム)」で書き分けたりします。
der/ein Rucksack{ルックザック}(リュックサック)
「ü」じゃないから「ル」ってことですね。背面の意味の「Rücken(リュッケン)」から来てるんでしょうが紛らわしい…
Super!{ズーパー!}(グレート!)
der/ein Supermarkt{ズーパーマルクト}(スーパー)
会話の流れ的に言われて勘違いする人はいないと思いますが、自分からスーパーに行くみたいな話をする時に最初の頃はつい日本語の感覚でmarktを省略しないように注意。
die/eine (Spiel)karte{(シュピール)カルテ}(トランプ)
Karteは英語で言うcardなので、もちろんトランプ以外の一般的なカードの意味もあります。(Monatskarteとか)
じゃあ日本語で言う「医者の持ってるカルテ」はドイツ語由来じゃないの?ってことになりますがどうやらそのカルテ(診療録)は「Krankengeschichte(クランケンゲシヒテ)」って言うらしいです。
Ach, so{ア(ッハ) ソー(ゾー)}(あーそうなんだー)
有名なフレーズですね。おそらく誰でも初めて聞いたときは「”あっそう”って言ったのか?」って思うやつ。
確かに相槌の一言ですがそんなそっけない意味合いは無く「そうかぁ 😕 」の様なナチュラルな?程度で、自分が知らない事実を知った時なんかにも使います。
vielleicht{フィー(ル)ライヒト}(多分)
wahrscheinlich{ワー(ル)シャインリッヒ}(多分)
これも有名な違いの一つ。
「あー多分行くわ。(←来ない)」の時はvielleichtですね。ニュアンスとしてはMAX50%だけど気持ち的には多分ムリ、くらいの勢いです。
wahrscheinlichはおそらく、概ね、70%くらいで気持ち的にはかなりノってる感じです。
vielleichtは丁寧に言う時・相手にお願いする時にも使える1語で「Vielleicht können wir uns mal treffen?」は「もしよかったらだけど…今度会わない? 😎 」というニュアンスになります。
das/ein Geschäft{ゲシェフト}(企業)
die/eine Gesellschaft{ゲセールシャフト}(企業)
das/ein Unternehmen{ウンターネーメン}(企業)
die/eine Firma{フィアマ}(企業)
der/ein Betrieb{ベトリープ}(企業)
困りますよねこういうの…
でも日本語でも会社とか企業とかあるのと同じです。
この中で一番ザ・企業としての意味なのがUnternehmen。
Geschäftは「店・ストア」としての意味が強く、Gesellschaftは社会とか会・協会・組合というか、複数人が同じ目的のためにがんばる的な感じです。
ちなみに「AG」とはAktiengesellschaftで株式会社、GmbHはGesellschaft mit beschränkter Haftungで有限会社の意味。
Firmaは会社「名」として使われることが多い気がします。Betriebはオフィスというか部署というか事業というか…複数のBetriebが集まってUnternehmenみたいな感じが強いです。
das/ein Gift{ギフト}(毒)
das/ein Geschenk{ゲシェンク}(ギフト)
「プレゼント」の様に万国共通単語だろと思って使っちゃいけないパターンの単語ですね。
der/ein Kasten{カステン}(箱)
die/eine Kiste{キステ}(箱)
die/eine Schachtel{シャハテル}(箱)
der/ein Karton{カ(ル)トン}(箱)
とっさにあれっどっちだ!?って出てこなくて「カス、キsっ…」みたいになるやつです。Kastenだけn付いてて引っ掛け感。
上3つはサイズの話でKasten > Kiste > Schachtelな感じです。
Kartonは英語のcardboardで「段ボール」です。これだけ素材の違いですね。
なんて説明だとイメージ沸かないと思うので以下のリンクをどうぞ。
特にKastenがそうですが箱、と言うか入れ物に近い意味合いなのが分かるかと思います。
der/ein Stollen{シュトレン}(トンネル・シュトーレン)
シュトーレンの事を言いたい時は「Christstollen(クリストシュトレン)」を使った方が丁寧。ちなみに「gestohlen」で「盗まれた」です。
zahlen{ツァーレン}(払う)
bezahlen{ベツァーレン}(支払う)
これもかなり意味が近くて迷うやつですが、日常生活ではbezahlenを使っておけば大体合ってます。
具体的にお金を払うことに対してはbezahlenで、zahlenはもっとアバウトな「見返りを払う」とか「対価を払う」時に使います。
ドイツ語を勉強していて最初に知るのがzahlenの方だと思うので、なんとなくbezahlenの方が特殊なイメージが付きやすいのがまたいやらしいです。
nutzen{ヌッツェン}(使う)
benutzen{ベヌッツェン}(使う)
これも同様に日常生活で使うのはbenutzen。具体的な物やサービスを使う意味で、逆にnutzenは人物以外が主語になってみたり、役に立つとか抽象的な利用や活用を意味したい時に使います。
verstehen{フェアシュテーエン}(理解する)
kapieren{カピアレン}(理解する)
実際よくあるフレーズは「Hast du verstanden?」「Hast du kapiert?」ですかね。
どちらも「分かった?」と聞いていますがkapierenの方は親や先生が子供に言う時とか仲の良い友達に言う時とかのくだけた、そしてあまり対等ではない言い方です。
kapierenした方が若干へりくだるというか、「Ich hab’s kapiert.」って時は諦めの気持ちや反省の意味が込められています。
意味が通じるのが一番大事!でも…
外国語を話す上で一番大事なのは、伝えたいことを伝え聞きたいことを聞ける意思疎通の能力です。(それが言葉だけでなく身振り手振りを駆使したものであっても)
日本で外を歩いていていきなり外国人がカタコトの日本語で話しかけてきても単語がいくつか分かれば大体何が言いたいか分かるのと同じように、我々が多少間違ったドイツ語で話しかけても、最低限単語を伝えられれば相手に伝わります。
最初はそれで良いと思いますし、実際暮らしていく上で一番重要です。
しかし、それ故にその場で意思疎通できてしまうと仮に間違った表現を使っていても指摘されない限り「あ、これで合ってるんだ 😛 」と思ってしまい、本人はそれが間違いだと気付くのに時間がかかったりします。
なので、ズバズバ「それ、ちがんじゃね?」と言ってくれる友人や先生がいる場合は「チッ…っせぇな」なんて思わず「そうか、指摘してくれてありがとう」と言えることが大事だと思いますし、かっこいいんじゃないかと心の片隅で思いつつ頑張りたいと思います…