最後まであきらめずに!オーストリアでの落とし物・忘れ物について
カフェでのんびりしている時、ショッピングで荷物を抱えてトラムに乗っている時、意中のあの子とアイスを食べている時、つい気の緩んでいる時に「あれっ、財布どこ行った…?? 😐 」なんて突然の緊急事態は発生するんですよね。
落としたのか、どこかに置いてきたのか、盗まれたのかも全く分からないまままず誰に何を連絡すればよいかも考えなくちゃいけなくて、かなりテンパります。
今回はそんなオーストリアでものを無くした時、拾った時にどうすればよいかを紹介します。
落とし物をした!どうすればいい!?
まだあわてるような時間じゃありません。落ち着いて必要な連絡先を探しましょう。
可能性がありそうな場所は分かるでしょうか?
地下鉄やトラム、どこかのお店等心当たりがあればまずそこに連絡して落とし物がないかどうかの確認をしてみましょう。
使うかもしれないドイツ語
die/eine Fundsache{フンドザッヒェ}(遺失物)
verlieren{フェアリアレン}(なくす)
die/eine Brieftasche{ブリーフタッシェ}(財布)
vergessen{フェアゲッセン}(忘れる)
der/ein Schlüssel{シュリュッセル}(鍵)
der/ein Reisepass{ライゼパス}(パスポート)
der/ein Diebstahl{ディープシュタール}(盗難)
der/ein Führerschein{ヒューラーシャイン}(運転免許)
https://www.fundamt.gv.at/
https://www.at.emb-japan.go.jp/itpr_ja/tokotaizai.html (大使館HPの参考ページ)
まずはここのサイトの「ZUR ONLINE SUCHE >>」から届け出がすでにないか検索してみましょう。
オーストリア国内で見つかっている落とし物を、カテゴリや場所、最後にいつ見たか等で絞り込み検索することが出来ます。
検索結果一覧でそれっぽいのがあったら「infoblatt」から詳細確認し、そこに記載されている落とし物保管場所へ実際に行って確認する流れになります。
あるいはドイツ語での電話に抵抗が無ければ直接ホットライン(0900 600 200)に電話することも出来ます。(ただし1分あたり1.36ユーロかかる)
直接保管場所へ向かう際には身分証明書を忘れずに。
身分証というのは名前・生年月日・署名・発行機関・写真が記載されている、例えばパスポート・IDカード・運転免許証・(写真付きの)学生証・銃免許・滞在許可証等です。
もしそれらを無くしたとか、すぐに用意できない場合はなるべく近いもの名前や住所が載っているものを持っていきましょう。
検索で見当たらない場合、 紛失届(Verlustanzeige、書類を指すのはVerlustanzeigebestätigung)を出すことも重要です。
ただ、どこに出すかは住所によって異なるので以下から検索。
https://www.help.gv.at/linkaufloesung/applikation-flow?leistung=LA-HP-RL-Fundamt&quelle=HELP&flow=LO
紛失届自体は基本的に無料(有料オプション有)ですが、ウィーンで運転免許証を紛失した場合は4.20ユーロを支払う必要があります。
ちなみにウィーンの地下鉄やトラム等「Wienerlinien」の管轄でも2018年1月2日以降はMA48の遺失物取扱所(+43 1 4000-8091)で管理しています。
パスポートを落とした場合
紛失届も重要ですが、大使館で(紛失した)パスポートの失効手続も必要です。
さらにそのままでは日本に帰れなくなってしまいますので同時に新たなパスポートの再発行、もしくは日本への渡航書の申請も必要になってきます。(それぞれ領事手数料もかかります)
https://www.at.emb-japan.go.jp/itpr_ja/passport.html
クレジットカードを落とした場合
各社紛失用電話番号があるはずなのでダッシュで電話してカード停止・再発行手続きをしてください。
これは紛失届よりも先ですね。
そのまま使われてしまう恐れがあるので、落とし物の中で一番早急に対応する必要があるモノです。
運転免許証を落とした場合
上述の紛失届の他、警察へ届け出る必要がありますので注意。
車両登録証の場合は警察へ届け出て、自動車検査登録事務所への紛失届+再発行で大丈夫です。
自動車検査登録事務所の検索ページ
https://www.vvo.at/vvo/vvo.nsf/sysPages/kfzzulassungsstellenauskunft.html
なお、国際免許証の場合は再発行不可なので新規で再取得となります。
現地もしくは海外旅行保険の保険証券・カードを落とした場合
これは言ってしまえばただの紙なので、すぐに使う予定が無ければ急ぐ必要は無く各保険会社に連絡+再発行すれば大丈夫です。
ちなみに海外旅行保険の保険証はそもそも現地に持っていく必要はなく、保険会社の連絡先と自身の証券番号さえ控えてあれば保障は受けることが出来ます。
動物が逃げ出した場合
生き物ですが、同様に落とし物として扱われます。
ウィーンでペットを紛失した場合は動物保護ヘルプライン(+43 1 4000-8060)に連絡。
盗難の疑いがある場合
「紛失」と「盗難」は根本的に違うもので、盗難に遭ったのが明確でなくてもその疑いがある場合は盗難届(Diebstahlsanzeige、書類を指すのはDiebstahlsanzeigebestätigung、基本無料 – 有料オプション有)をすぐに警察へ届け出る必要があります。
ひったくりに遭って悠長に紛失届を出す人もいないと思いますが、ちょっと目を離したすきにトランクが忽然と姿を消した、気付いたらカバンが切り開かれていて中身が無かった等の場合ですね。
オーストリアでは落とし物はちゃんと戻ってくる?
正直な所残念ながら、戻ってくる可能性は日本よりも低いと思います。
もちろんゼロではないですが、戻って来て欲しい貴重品や売ったら価値があるものほど可能性は低いかと…。
この辺に関してはあまり期待をしない方が、戻ってこなかった時の自分へのダメージを防げます…。
一番望みが薄いのは「現金」でしょう。あと「クレジットカード」。パスポートは意外と可能性があるんじゃないかと個人的には思っています。
「パスポートは売ったら高い」見たい話はよく聞きますが、実際どこに売ったらいいかなんて知ってるでしょうか?
現金や貴金属と違いお金に換える方法が我々一般人には分からないので悪意を持った人たちに取られない限りは落とし物として届くんじゃないかな、という感じです。
また、中身抜かれたとしてもせめて財布だけでも…!という場合もあるかと思いますが、中身をスる人間がその犯罪の痕跡になりえる財布をわざわざ落とし物として届けてくれるか?というのもかなり疑問です。
ただ、落とし物には後述の様にその価値に応じたお礼システムもあるので、「どうせ戻ってこないから紛失届はいいや…」なんて諦めてはいけないです。
期待はしないけどやれることはやるのが大事なのかなと。(精神的にもつらい中諸々やるのは大変ですが…)
なお、同じく後述で手順をご紹介しているように、遺失物は発見されてから実際に公に登録されるまでいくらかのタイムラグがあります。
そもそも発見者がその日次の日に届けてくれるとも限りません。
ですので上記の遺失物検索サイトで無かったからといってすぐに無い!と決めつけてしまうのはかなり早すぎで、少なくても1~2か月くらいは探してみることをおすすめします。
ちょっと話は逸れますが、ある時おじいさんが地下鉄駅構内で財布の小銭をばら撒いてしまった時に、近くにいた人たちが善意で拾ってくれたと思ったら何人かは小銭を握りしめそのまま立ち去って行く光景を過去見た事がありますが、お金に名前が書いてある訳ではないですし、拾った人が自分のだ!なんて言い出したらどうにもならないのでそういう事にも気をつけなきゃ、と思っています。
落とし物を見つけた!どうすればいい?
https://www.help.gv.at/linkaufloesung/applikation-flow?leistung=LA-HP-RL-Fundamt&quelle=HELP&flow=LO
Fundboxの無い都市であれば上記のリンクから検索して役所へ、Fundboxのあるウィーン市内で、お財布や貴重品など明らかに価値のあるものは同様に上記のリンクから検索して役所へ、傘やハンカチなどそれほど価値がないもの(と言っては失礼ですが)はあっちこっちに設置してある「Fundbox」へ投入することになります。(見つけたのが銃や爆弾などでなければ、基本的に警察に届けるものではないようです)
見つけたのがお店の中や公共交通機関の中であれば、そこの管理者に渡してしまいましょう。
ただし、ウィーンの地下鉄やトラム等「Wienerlinien」の管轄では2018年1月2日以降MA48の遺失物取扱所(+43 1 4000-8091)に連絡する形の様です。
Fundboxってなに?
https://www.wien.gv.at/presse/bilder/2003/01/30/19-fundboxen-fuer-wien1
こんな感じのやつです。
一言で言えば落とし物ボックス。交番・役所・ごみ処理場の近くなんかでよく見かけるかと思います。
場所の検索はこちらから。
https://www.wien.gv.at/verwaltung/fundservice/gefunden.html
ペットを見つけた!
ヘルプライン(+43 1 4000-8061) に電話しましょう。保護しにきてくれます。
お礼システムについて
オーストリアでも遺失物を拾った方にはその所有者から報酬が支払われることになっています。
- 落とし物はその価値の10%
- 忘れ物はその価値の5%
- 2,000ユーロを超える価値のものは(落とし物でも忘れ物でも)50%
となっています。
オーストリアで定義されている「落とし物」と「忘れ物」の違いですが、「忘れ物」は地下鉄車内に忘れた傘、ホテルに忘れたお土産袋、レストランに忘れた上着の様に、その場所が決まっていて誰かの管理下に置かれているもので、それ以外の路上のトランクなどは「落とし物」です。
1年以内に持ち主が現れない場合
発見者に連絡が行き、そのまま引き渡されるそうです。
発見者も所在が分からない場合はドロテウムやフリーマーケットに出品されるみたいですね。
私がオーストリア生活で過去一番高い落とし物は「ドイツ語の電子辞書」です。
結構高いものな上に受け取る際に高い関税(詳しくはこちら)まで払った品だったのですが、バッグに入れていてある日忽然と姿を消していました。
「あれ、家におきっぱだったか…?」「あ~あそこで使った時に忘れてきちゃったか…?」「…もしかしてU-bahn乗ってるときにパクられた…?」等々思い当たる場所を散々探してみましたが結局見つからず、しばらくは辞書無し生活(厳密には戸棚の奥に紙の辞書も眠っていましたが)して日本で新しいのを買ってきた苦い思い出があります。
あの時の私はここで紹介しているような紛失届や遺失物取扱所なんて存在も知らなくて、自分の足だけで探して無くて諦めてしまいましたが、同じようにオーストリア生活の中で何かを落とした方がいれば、是非上記のサービスなどを駆使してできるかぎり探してみてください。
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