【ぼったくりにも注意】レア食材とアンティークが集うウィーンのナッシュマルクトの歩き方
ナッシュマルクト(Naschmarkt)はウィーン6区マリアヒルフのKarlsplatzとKettenbrückeの間にある、市内最大の蚤の市兼食料品市場です。
肉・野菜・魚などの生鮮食品を買い込むも良し、ケバブやハーブティーを味わってみるも良し、マニアックな香辛料やチーズ・珍味などに挑戦してみるも良しの、まさに活気溢れる市民の憩いの場とでも呼べるような場所です。
煌びやかな宮殿やら王室御用達のカフェやらお上品で溢れるウィーンにとってはいささかワイルドがすぎるこのナッシュマルクト、当然ながらウィーン観光のおすすめスポットの一つとしても知られているのは皆さんご存じの通り。
市場が放つエキゾチックな雰囲気に誘われて目移りしながら散策する観光の方も非常に多く、前提としてスリにも気を付ける必要がありますが、実はお店でぼったくられる可能性もゼロではないことはご存じでしょうか?
特に玉石混合の骨董品・美術品などのアンティークが集まる土曜日限定の蚤の市では、モノの値段を推し量れないと文字通りカモがネギを背負いこんで訪れるに等しいと言えるでしょう。
もちろん私は分からない側の人間なので、眺めるだけ眺めて立ち去るスタイルです。
今回は一度は訪れておきたいけどちょっぴり危険な香りも放つ、ウィーンのナッシュマルクトについてご紹介します。
Wiener Naschmarkt
https://www.wien.gv.at/freizeit/einkaufen/maerkte/lebensmittel/naschmarkt/
住所
Naschmarkt, A-1060 Wien
Karlsplatz側からはResselparkという広場を抜ける必要があり若干遠いので、なるべく歩きたくない方はU4地下鉄駅「Kettenbrückengasse」で降りたほうが近いのでおすすめです。
駅を出て目の前にナッシュマルクトが見えます。
営業時間
市場
月~金 6:00~19:00
土 6:00~18:00
レストラン・バー
月~土 6:00~23:00
日・祝 9:00~21:00
店によって営業時間は多少異なりますが、火~金15:00~18:00は必ずどの店も営業しなければならない決まりになっています。
ナッシュマルクトの歴史
ここを訪れるにあたって知っておく必要はありませんが、どうしてこの街にこういう場所があるのか気になる方もいるかと思います。
ナッシュマルクトの前身は、市内のFreyung広場に設立された果物と野菜の市場でした。
1774年には、主に牛乳を売買する小さな市場があったことが記録に残っているそう。
当時あった紛争により、この市場は1780年に現在のWiedner Hauptstraße、Resselgasse、Operngasseに移転しました。
人が集まるうちにパンやクヌーデルなどの露店が増え、1793年以降には荷馬車でウィーンに運ばれる果物や野菜はすべてナッシュマルクトで販売されるほどに成長していきます。
供給市場としての役割を担うナッシュマルクトは、1819年以降より高い地位を獲得していきました。
ウィーン川の規制や第一次世界大戦の勃発、シェーンブルン宮殿まで続く壮大な大通りの建設計画などの事情により幾度も市場の場所は変わりつつ、1916年以降は今現在の場所で発展してきました。
当時使われてたとされる「Aschenmarkt(アッシェンマルクト)」という呼び名(当時本来の正式名称はKärntnertormarkt)はこの地域がかつて灰(ドイツ語でAsch)捨て場として使われていたことに由来する説、もう一つはトネリコ材(ドイツ語でEschenholz)で作られた牛乳容器を訛って「Asch」と呼ぶようになったという説があります。
ナッシュマルクトという呼び名は1820年頃以降の記録にも残っており、砂糖漬けのオレンジの皮やナツメヤシといった、当時のエキゾチックな菓子や商品に由来している可能性もあるそう。(ドイツ語で「Naschen」は間食・スナックの意)
ただし1905年には正式に「Naschmarkt(ナッシュマルクト)」と改名されました。
ナッシュマルクトの品揃え
主に果物、野菜、魚、肉などの生鮮食品やチーズ、パンなどが売られています。
またギリシャ、トルコ、そして東アジア、特に日本と中国からの品々も増えており、香辛料や茶葉、インスタントラーメン、ドライフルーツ、焼き菓子など国際色豊かな品揃えでも知られています。
もちろん肉や野菜がパンに出会えば挟まれるのは必然…ハンバーガーやケバブ、焼きそばをはじめ、食材販売だけではなく軽食スタンドやレストラン、お土産店や衣類店も入れ替わり立ち替わり新しいお店が登場しています。
お値段は場合によっては安い…かも…?な感じですが、昨今では観光向け価格に上がってきており、食料品はスーパーの方が安かったりもします。
ただ、お店によってはオマケや値引き交渉してくれたりするので必ずしも高い・安いは言えません。
鮮度もとても良いものもあればそうでもないものもあるので、安定感・安心して買えるという意味ではスーパーの方が買いやすいかもしれません。
食品以外ではお土産用のマグネットやポストカード、帽子やTシャツなどの衣類も売っています。
ただ、衣類に関してはあえてここで買わなきゃいけないというようなものはほぼ無いです…。
店員さんも元気な方が多いです。
アジア人を発見するや否や「ニーハオ!アンニョンハセヨ!コンニチワ!ケバブ!」と声を掛けられます。でもケバブはおいしいです。
試食は出来るの?
お店によって異なりますが、特にチーズやスナック、ドライフルーツなど味の想像がつきにくい食材のお店では試食させてもらえるお店が多いです。
何も言わずとも(これ何のドライフルーツだろう…)と眺めていたら「食ってみ、飛ぶぞ?」とすぐに対応してくれる勢いです。
もし気になるものがあっても「試食できますか?」とは聞きにくいと思うので、以下のようなフレーズで聞いてみると、試食できる場合は対応してくれると思います。
Entschuldigung, was ist das für eine Zutat?
エントシュルディグング、ワス イスト フュア アイネ ツータート?
(すみません、それは何の食材ですか?)
Was ist das?
ワス イスト ダス?
(それは何ですか?)
おすすめの来訪は毎週土曜日
ナッシュマルクト自体は上述の通り平日でも営業していますが、土曜日だけは骨董品・美術品などをはじめとしたアンティーク・中古品が集まる蚤の市が開催されています。
衣類や小物類も非常に多く並べられています。
この週末の蚤の市が特に人気のため、食品類のエリアも平日と土曜日では込み具合に雲泥の差があります。
一度の来訪で全部見たいという方は土曜日に、あまり混んでいるところに行きたくないという方は土曜日は蚤の市だけを見て、食品通りは平日に散策することをおすすめします。
蚤の市では値引き交渉もOK
慣れている方はチャレンジしてみるのも良い経験になるかと思います。
冒頭でも述べた通り私はこういったものの価値の判断が全くできないのでそもそも買おうと思ったことも無いのですが、売主がその価値に気付かずに安い金額で売ってしまっている、なんてこともあるそうなので、目が利く方にとってはウィーン一番のアトラクションになり得るかもしれませんね。
また、生鮮食品やお肉などのお店でも多少値下げしてくれることもあります。
基本的にこれらは売値が決まっているので交渉というわけではありませんが、「この鮮度でこのお値段?うーん…」なんて顔をしていると「じゃあもう一個おまけで良いよ、好きなの選びな!」といったサービスなどをしてくれることも。
値下げを期待するところでもないので難しい所ですが、結構な確率であります。
ナッシュマルクトで気を付けること
地元民も観光客も人々で賑わうこの市場、楽しいだけではありません。
ぼったくり店
特にこういった場所に慣れていない方は要注意。
値段交渉が茶飯事の蚤の市を除き、食料品のお店やレストラン・カフェバーでは商品やメニューに予め値段が決まっており、お客さんが見えるようになっています。
ところがごく一部のぼったくり店ではメニューなどに値段が載っていないことがあり、大した金額ではないだろうとちょっとしたケーキや紅茶を注文したら過大な金額を請求された、ということをたまに聞きます。
過大な金額というのがミソで、ケーキ一つで30ユーロ、紅茶一杯で40ユーロといった「実は高いお店だったのかも」「文句を言うより払ってしまった方がラクそう」と思わせる金額を請求してくる、たちの悪いお店です。
ぶっちゃけ、特に日本人観光客は他に比べおとなしいと思われているので、強く言えば払うだろうという魂胆を持っていることも。
もちろんこういったところは現金払いなので後から追及することが難しくもなっています。
ぼったくりを事前に防ぐポイントは2つ。
一つはメニューに料金表示の無いお店には基本入らないようにすること。
もしどうしても気になる場合は、注文時にいくらなのかをはっきり聞いておいた方が良いです。
もう一つはレシートをもらえるか注文前に聞くこと。
軽食スタンドなどを除き、レシートを渡すことは法律で定められているので本来わざわざ聞くことではありませんが、このお店怪しいかもと思ったら聞いておいて損はありません。
量り売りの押し売り
量り売りのお店で「そのオリーブ150gください」と注文したら、店員さんがワッサワッサ入れて「ちょっと多いけどいいやろ!」と300g買わされる羽目に…なんてこともあります。
誤差だから悪意はない、仕方ないよね!という寸法の押し売りですね。
150g頼んで180gならまだ常識の範囲内ですが、300gは明らかに狙ってやっています。
これの注文の仕方にはコツがあって、「○○グラムください」ではなく「○○ユーロ分ください」という注文の仕方にすると望まない誤差を防ぐことが出来ます。
スリ・置き引き
これについては大丈夫ですね。
あまり海外旅行に慣れていない方はこちらもチェックしてみて下さい。
日本では味わえない食材と雰囲気が揃う場所
上記動画でもチラホラ見えますが、日本のスーパーではまず見かけないようなスパイス・チーズ・スナックなどが所狭しと並べられている風景と香りは、やはり一度は足を運んでおいて良かったと思える体験です。
ここナッシュマルクトに限らず、あるいはオーストリアに限らず海外旅行には上述のような気を付けるべき点というのは必ず存在します。
しかし最低限ポイントさえ押さえておけば、そういった悪意に引っ掛かることは滅多に無い国ということも知っておいていただければ嬉しいです。
初めてのウィーン旅行の際には、ぜひ一度この活気溢れる場所に入ってみて下さい。
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