昔はなかったのですが、最近ではカフェやレストランのメニューをよく見てみると料理名の横に「A,C,G」「A,G,L」「L,M,O」等のアルファベットが付いています。
アルファベットは書いてあるのに、そのアルファベットの意味がメニューのどこにも書いていないお店もあり、初めて見ると「辛さ的なアレかな…?」とか「セットオプションがあるのかな…?」みたいなよく分からない推測を私のようにしてしまうことになります。
正体はアレルギー表示
EUが食品表示に関する新規則を2014年12月13日から適用したそうで、アレルギーに関する表示を全ての食品事業者に義務付けたことが理由の様です。
WKOのサイト
- https://www.wko.at/branchen/tourismus-freizeitwirtschaft/gastronomie/Weiterfuehrende_Infos_Allergene.html
- http://www.wkk.or.at/tourismus/hygiene/allergene-stoffe.asp
JETROのサイト
- https://www.jetro.go.jp/biznews/2014/12/547807f4d07f0.html
- https://www.jetro.go.jp/world/reports/2014/07001670.html
アルファベットはその食品群のグループ名で例えば先の例の「A,C,G」だと「グルテンを含む穀類、卵及び卵製品、乳及び乳製品」がその料理に使われていますよ、という意味になります。
親切なメニュー表には下の方とかに小さく「Allergen ~」とか書いてあるので見てみてください。
なお、我々が一般的に知っている「アレルギー」はドイツ語では「Allergie」、その原因となる物質のことを「アレルゲン」と言いドイツ語では「Allergen」と呼ぶそうです。初めて知りました。
日本とは内容が違う
日本の場合アレルギー表示の対象は27品目で、そのうち表示の義務があるのは7品目です。(表示が推奨されているのは20品目)
日本の場合
表示義務
卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに
表示を推奨
いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、カシューナッツ、バナナ、やまいも、もも、りんご、さば、ごま、さけ、いか、鶏肉、ゼラチン、豚肉、オレンジ、牛肉、あわび、まつたけ
オーストリア(EU)の場合
- A – für glutenhaltiges Getreide
グルテンを含む穀類 - B – für Krebstiere und Erzeugnisse
甲殻類動物 - C – für Eier und daraus gewonnene Erzeugnisse
卵及び卵製品 - D – für Fisch und Fischerzeugnisse (außer Fischgelatine)
魚及び魚製品(魚ゼラチンを除く) - E – für Erdnüsse und erzeugnisse
ピーナッツ及びピーナッツ製品 - F – für Soja (bohnen) und Erzeugnisse
大豆及び大豆製品 - G – für Milch und Milcherzeugnisse (inklusive Laktose)
乳及び乳製品(ラクト-スを含む) - H – für Schalenfrüchte und daraus gewonnene Erzeugnisse
ナッツ類 - L – für Sellerie und Erzeugnisse
セロリとその製品 - M – für Senf und Senferzeugnisse
マスタード及びマスタード製品 - N – für Sesam-Samen und Erzeugnisse
胡麻及び胡麻製品 - O – für Schwefeldioxid und Erzeugnisse
SO2で10mg/kgあるいは10mg/ℓ以上の濃度の亜硫酸塩及び二酸化硫黄 - P – für Lupinen und daraus hergestellte Produkte
ルピナスとその製品 - R – für Weichtiere wie Schnecken, Muscheln, Tintenfische und daraus hergestellte Erzeugnisse
軟体動物とその製品
別にアルファベットとアレルギー内容が一致してるわけではないですね。
…亜硫酸塩ってなんだ?
食品添加物で酸化防止剤・保存料のためのものの様です。
…ルピナスってなんだ?
こんなやつです。
日本で食されるのは一般的ではないようですが、食物繊維が豊富で小麦粉にルピナスの粉末を混ぜて使うことがあるようです。
ちなみにルピナスアレルギーは、ピーナッツアレルギーを持つ人に起きることが多いとのこと。
アレルギー持ちの場合
卵アレルギーの方が迷わずパラチンケン専門店に食べに行くことはまずないと思いますが、何が入っているがよくわからない料理を注文するときは、
Ich habe Allergie gegen Eiweiß.
イッヒ ハーベ アレルギー ゲーゲン アイワイス.
「私は卵白アレルギーです。」
Ist da Eiweiß drin?
イスト ダー アイワイス ドリン?
「これに卵白は入っていますか?」
と、メニューを指しながら聞いてみましょう。
「卵抜きで作れるか聞いてきます。」とか「こっちなら入っていないです。」等対応してくれるはずです。