【夏のザルツブルグ観光】水の戯れから熊の食事風景まで!ゼロから分かるヘルブルンエリア
ザルツブルク市街地から見て南の郊外に位置するのがこのヘルブルン。
周りには田園風景が広がり、こんなところに面白いものがあるのか…限られた旅行の時間を無駄にしないか…と訪れる前は内心訝しむ人も少なくないと思われる観光スポットの一つですが、実際に訪れてみると「とても良かった…!」と思ってもらえること間違いなし。
そんなヘルブルンエリアの見どころやチケット、回り方などをご紹介します。
ヘルブルンエリアへのアクセス
Fürstenweg 37, 5020 Salzburg
ザルツブルク市内から25番バスで行くことが出来ます。
salzburg verkehrの時刻表検索はこちらから。(「25」で検索)
https://salzburg-verkehr.at/fahrplaene/fahrplandownload/
ヘルブルン内にある施設
ヘルブルン宮殿
Schloss Hellbrunn
公式サイト
https://www.hellbrunn.at/
ヘルブルン宮殿はこのヘルブルンエリアのメインアトラクションの一つで、後期ゴシック様式の宮殿。
1613年から1615年にかけてザルツブルク大司教マルクス・ジティクス・フォン・ホーエンエムス(Markus Sittikus von Hohenems)という人が建設したもので、当時有名だった画家のドナート・アルセニオ・マスカーニによって寓意的、つまり直接的に表現せずに他の事物や形象を介して暗示的に表現する描写が描かれた祝祭の間の壁とアーチ型の天井や、音楽的場面が描かれた八角堂、架空の生物であるユニコーンのリアルな剥製(っぽいもの)、魚の部屋、鳥の部屋、角部屋など、宮殿内の部屋ごとにテーマががらりと変わることが知られています。
ザルツブルク大司教ってなに?
カトリックの大司教であり、簡単に言えばとても偉い身分の人です。
つまりこのヘルブルン、ものすごく権威のあった人が建てた場所であるにもかかわらず、上述の通り独創的な作りであったり後述の遊び心があったりといったギャップがすごく刺さる場所でもあります。
見どころは仕掛け噴水
Wasserspiele
ヘルブルン宮殿の目玉は何と言ってもこの水遊びの仕掛けたち。
足元から、座ったイスから、あるいは頭上に佇んでいた鹿の頭から、もうそこかしこからピュッピュと水が降り注ぎます。
なんと400年前に作られた仕掛けにもかかわらず、今でもしっかりと訪問者たちをびしょ濡れにさせるドッキリ仕様。
城の1階には突然洞窟のような部屋が現れることも有名で、「ゲルマウル」という何度も目を回したり舌を突き出したりしている奇妙な銅彫りのしかめっ面の像とネプチューン像がある雨の洞窟(Neptungrotte / Regengrotte)、今にも崩れ落ちそう…に見せている遺跡の洞窟(Ruinengrotte)、多数の凸面鏡が施された鏡の洞窟(Spiegelgrotte)、龍やイルカなどの陶器の像がクルクル回り12種類もの鳥の鳴き声が響き渡る鳥の声の洞窟(Vogelsanggrotte)があり、鑑賞している内に夏の暑さを和らげてくれます。
その他にもなんてことないくぼみに家族の像たちが働いていたり、アポロ神と半人半獣の像が争っていたりとバリエーションに飛んだ人形劇が水の力を利用して自動的に繰り広げられており、散策のしがいがある作りの庭園になっています。
王冠の洞窟(Mydasgrotte)では王冠が水の力で噴射された噴水によってウヨウヨと浮いていたり、機械式劇場(Mechanische Theater)では100体以上の人形がオルガンに合わせて動き回ったりといったアトラクションもあり、はるか昔の技術でありながら水力をふんだんに取り入れた仕掛けは必見と言えます。
チケット価格
チケット購入はこちら。
https://tickets.hellbrunn.at/
- 大人 15.00ユーロ
- 子供(4~18歳) 6.50ユーロ
- 家族(大人2名+子供1名) 33.50ユーロ(子供1名追加ごとに3.50ユーロ)
- 学生(19~26歳) 9.50ユーロ
- 障害のある方 12.50ユーロ(同伴者無料)
- 団体(20名以上) 13.50ユーロ
チケット割引
このヘルブルン宮殿のすぐ側にあるヘルブルン動物園を同じ日に訪れる場合のみ、専用の割引を受けることが出来ます。
- 大人 13.50ユーロ
- 子供(4~18歳) 6.00ユーロ
- 家族(大人2名+子供1名) 32.00ユーロ
営業時間
基本的に毎年冬季以外の3月~11月頃までの期間開園しており、月によって若干閉園時間が異なります。(2025年は3月29日~11月2日)
- 3月・4月 9:30~17:30(最終入場16:30)
- 5月・6月 9:30~18:30(最終入場17:30)
- 7月・8月 9:30~19:00(最終入場18:00)
- 9月 9:30~18:30(最終入場17:30)
- 10月・11月 9:30~17:30(最終入場16:30)
一応天候に関係なく営業していますが、雨が降っている日は庭園の散策が実質困難なので注意。
音声ガイド
ヘルブルン宮殿と仕掛け噴水のエリア用に専用のオーディオガイドが用意されており、日本語を含む15の言語で説明を聞きながら進むことが出来ます。
このオーディオガイドはチケットに含まれているため、別途機器のレンタル費用などを支払う必要はありません。
ヘルブルン庭園
Schloss Hellbrunn Garten
ヘルブルン庭園とはオーストリアで最も重要な庭園建築記念碑の一つ。
マニエリスム装飾庭園と呼ばれるこの広々とした庭園は通称ヴァッサーパルテル(Wasserparterre)と呼ばれ、幾何学的に設計された中央の島を持つ池が特徴的な景観を形作っています。
上述のヘルブルン宮殿のチケットで入れる仕掛け噴水エリアと混同されがちですが、この庭園は無料で入ることが出来る場所で、普段からザルツブルク市民の散歩道としても人気のコースとなっています。
というのもこのヘルブルン庭園、Googleマップなどで俯瞰すると分かりやすいですがメチャクチャ広い一帯のことを指しており、宮殿の北から始まるFürstenweg(王子の道)は宮殿の東のエントランスを越え広々とした牧草地を通り、森の端を抜けてザルツァッハ川まで伸びているほどの広大な道がこのヘルブルンエリアであり、四季折々の変化を魅せる多数の並木道が歩くにも走るにも気持ちの良い景観を楽しませてくれるんです。
営業時間
6:30~21:00
入場料
無料
サウンドオブミュージックのパビリオン
Sound of Music Pavilion
実は、かの有名映画サウンド・オブ・ミュージックでのワンシーンに使われたのがこのヘルブルン庭園にあるパビリオン。
もちろんここも無料で訪れることが出来るので、ファンにとっては必ず立ち寄っておきたい場所の一つです。
Kneippanlage Schlossgarten Hellbrunn
ヘルブルン庭園の東側にある足湯場所。
足湯と言っても温水が出るわけではなく、縁側に座って足だけ水につけてひんやりさせるような使い方の場所なので、我々日本人にとっては若干見慣れない場所だと思います。
位置的にもあまり人が来る場所ではないためか、いたとしても数人程度がのんびりしている程度の空き具合です。
Steintheater Hellbrunn
石造りの劇場と呼ばれるこの場所は、当時ヘルブルン城の建設に使用された採石場の跡地だったものを劇場にしたもので、1617年にモンテヴェルディのオペラ「オルフェウス」が最初の公演となり以降も使用されてきた歴史がある様です。
ザルツブルク民俗博物館
Volkskunde Museum
ヘルブルン庭園エリア内にある民俗博物館。
宮殿が築かれた時代の生活の様子を展示しており、家具や骨董品などから当時の雰囲気を知ることが出来ます。
公式サイト
https://www.salzburgmuseum.at/volkskundemuseum/
営業時間
基本的に3月から11月頃までの開館で、冬季は休業となっています。
10:00~17:30
入場料
- 大人 3.50ユーロ
- 高齢者(60歳以上) 2.50ユーロ
- 若者(16~26歳) 1.50ユーロ
- 子供(6~15歳) 1ユーロ
- 6歳未満のお子様 無料
- 家族(大人2名と子供) 7ユーロ
- グループ(大人10名以上) 2.50ユーロ
- ガイド料金(お一人様) 2.50ユーロ
- 障がいのある方 無料
- ザルツブルクカード 有効
- ザルツブルク博物館協会会員 無料
なお、ヘルブルン宮殿のチケットにも民俗博物館の入場料が含まれているので、宮殿に入った方は改めてチケットの購入は不要です。(ただし同日限定)
Watzmannblick
ヘルブルン庭園のハイキングコース途中にある休憩場所。
特に天気が良ければザルツブルクを囲む山々の絶景をカメラに収めることが出来ます。
Stadtblick
ザルツブルク民俗博物館のすぐそばにあるハイキングコースの休憩場所。
ヘルブルン宮殿はもちろん周辺の大自然を超えてザルツブルク市街地やホーエンザルツブルク城塞も遠くに見つけることが出来る眺めの良さがポイントです。
宮殿エリア内のお食事処
Parkcafe Schloss Hellbrunn
公式サイト
https://www.parkcafehellbrunn.at/
東の正門から宮殿に向かう途中にあるカフェ。
あまり豊富なメニューではありませんが、スープやサラダ、トーストなどの軽食とケーキやコーヒーなどは一通り揃っています。
ザッハトルテもありますが、おすすめは自家製アップルパイ(Apfelstrudel)。
もっとガッツリお腹を満たしたい方は後述のレストランの方へ足を運びましょう。
ちなみに夏季はアイスやピザなどもテイクアウト可能です。
営業時間
基本的には4月から12月クリスマス頃までの営業で、宮殿と同じく以降の冬季は休業となっています。
なお、宮殿の閉館時間より若干早く閉まることが多いので、宮殿を見終わってから訪れる際には注意が必要です。
- 4月 10:00~17:00
- 5月・6月 10:00~18:00
- 7月・8月 10:00~19:00
- 9月 10:00~18:00
- 10月・11月 10:00~17:00
Gasthaus zu Schloss Hellbrunn
東の正門から宮殿に向かう途中にあるレストラン。カフェの正面向かいにあります。
ザルツブルク郊外の宮殿という立地からイベント会場や結婚式会場にも使われることもしばしば。
上述のカフェ同様メニューは他店に比べそこまで豊富ではなく、ブランチの選択肢はほぼサンドイッチ系、ランチ以降はガッツリ食べるならシュニッツェルかカレーがメインの選択肢になります。
その他日替わりのランチメニューもあるので訪れる際は要チェック。一応ケーキ類もあります。
公式サイト
https://www.gasthaus-hellbrunn.at/
営業時間
基本的には3月から9月頃までの営業。
なお、宮殿の閉館時間より若干早く閉まることが多いので、宮殿を見終わってから訪れる際には注意が必要です。
- 3月~5月
火~金 10:00~16:30
土日祝 9:00~16:30 - 6月~9月
月~金 10:00~17:30
土日祝 9:00~17:30
※ブランチメニューは12時まで、12時以降はランチメニュー。
※そのほか特別休業日もあり。
結婚式会場の様子
クリスマス市も開催
ヘルブルン庭園では毎年クリスマス市も開催されており、クリスマスシーズンにザルツブルクを訪れるならぜひ立ち寄っておきたいところ。
ヘルブルン動物園
Zoo Salzburg Hellbrunn
公式サイト
https://www.salzburg-zoo.at/
ヘルブルンエリアのもう一つのメインアトラクション。
1961年開園後約150種1,500頭の動物が住む動物園で、山の麓に沿うように長く伸びた敷地が特徴的な場所です。
園への入り口は宮殿側と中央側の2つがありますが、効率的に散策するなら宮殿側の入り口から入った方が折り返したりせずに済みます。
https://www.salzburg-zoo.at/de/besuchen/zooplan
見どころは給餌
この動物園では毎日決まった時間に園内の動物たちにご飯をあげる様子を近くで見ることが出来ます。
タイムテーブルは決まっており、以下の4回にわたって鑑賞が可能です。
- 9:30
- 11:30
- 14:30
- 16:30
それぞれの時間と曜日によってご飯をあげる動物は異なり、オオカミやマングース、ブラウンベア、ジャガー、ピラニア、ペリカンなど大人にも子供にも人気の動物が見られるので訪れる際にはぜひチェックしておきたいところ。
スケジュールは以下のページで確認できます。
https://www.salzburg-zoo.at/de/erleben/fuetterungskalender
チケット価格
チケット購入はこちら。
https://zoosalzburg.axess.shop/de/Products/Tickets/
- 大人 16.00ユーロ
- 若者(15~19歳) 10.00ユーロ
- 子供(4~14歳) 6.50ユーロ
- シニア(65歳以上) 14.50ユーロ(要身分証明書)
- 家族(大人2名+子供1名) 36.50ユーロ(子供1名追加ごとに6.00ユーロ)
- 犬 3.00ユーロ
障害のある方(要身分証明書)
- 大人 10.50ユーロ
- 若者(15~19歳) 9.00ユーロ
- 子供(4~14歳) 6.00ユーロ
団体(15名以上)
- 大人 14.50ユーロ
- 若者(15~19歳) 9.00ユーロ
- 子供(4~14歳) 6.00ユーロ
- ヤギ・羊・アルパカ用の飼料 3.50ユーロ(レジにて販売)
https://www.salzburg-zoo.at/de/besuchen/eintrittspreise
チケット割引
このヘルブルン動物園のすぐ側にあるヘルブルン宮殿を同じ日に訪れる場合のみ、専用の割引を受けることが出来ます。
- 大人 14.50ユーロ
- 子供(4~18歳) 6.00ユーロ
- 家族(大人2名+子供1名) 35.00ユーロ
その他Salzburg Card、Gästekarte Achentalなど各種提携カードを持っていると入場料免除や割引の対象になります。
多くは旅行で訪れる方が入手できるものではありませんが、オーストリア在住の方であれば対象になるものもあるかもしれませんのでチェックしてみて下さい。
https://www.salzburg-zoo.at/de/besuchen/eintrittspreise/ermaessigungen
その他、観光でオーストリアを訪れる方へ特におすすめなのがウィーンのシェーンブルン動物園で発行できる「ZOOcard」。
このカードは主にシェーンブルン動物園内で各種割引を受けるためのカードですが、提携している動物園にも割引が効く特典があり、このヘルブルン動物園の入場に際しては10%の割引が効きます。
その他リンツ動物園やウィーンの自然史博物館などでの割引もあるため、オーストリアの動物園を巡る旅行をお考えの際は持って居おいて損は無いです。
https://www.zoovienna.at/besuch-und-tickets/zoocard/
ちなみにヘルブルン動物園では年間パスポートもあります。
- 大人 60.00ユーロ
- 若者(15~19歳) 30.00ユーロ
- 子供(4~14歳) 23.00ユーロ
- 犬 10.00ユーロ
障害のある方(要身分証明書)
- 大人 42.00ユーロ
- 若者(15~19歳) 25.00ユーロ
- 子供(4~14歳) 19.00ユーロ
https://www.salzburg-zoo.at/de/besuchen/eintrittspreise/jahreskarte
営業時間
宮殿エリアと異なり基本的に休園月はなく日曜日と祝日も開園しており、月によって若干閉園時間が異なります。
- 4月~9月 9:00~18:00(最終入場17:00)
- 3月・10月 9:00~17:30(最終入場16:30)
- 11月~2月 9:00~16:30(最終入場16:00)
一応天候に関係なく営業していますが、雨が降っている日は屋外動物園の散策が実質困難なので注意。
動物園内のお食事処
Das ZoO
公式サイト
https://www.daszoo.at/
動物園内にあるカフェレストラン。
チキンナゲットやカレーソーセージ、シュニッツェル、ハンバーガー、ボロネーゼスパゲッティなど子供はもちろん歩き疲れた大人たちのガッツリ食べたい欲を満たしてくれるメニューがほとんどです。
曜日や時間帯によってはかなり混んでいることもあるので、動物園内で食べる予定の場合はある程度ランチ時をずらして行くようにした方が良いかもしれません。
営業時間
ごく一部の日を除き、動物園と同じく年中無休で営業しています。
- 1月・2月 9:00~16:00
- 3月 9:00~16:30
- 4月・5月 9:00~17:00
- 6月~8月 9:00~18:30
- 9月・10月 9:00~17:00
- 11月・12月 9:00~16:00
- ※8月の金・土曜日のみ9:00~22:30
ヘルブルンを訪れる価値はある?
特に春から夏にかけての季節にザルツブルクを訪れるのであれば間違いなく行って損はない場所だと思います。
おすすめは1日かけての観光
ヘルブルン宮殿と動物園は同日に訪れると若干ですが割引が効くことと、そもそもザルツブルクの郊外に位置していて何度も来るには移動時間がもったいないことから、もし訪れる際は丸1日かけてのヘルブルン観光がおすすめ。
行ったり来たりを無くすには宮殿→庭園→動物園の順で回っていくと無駄なく移動が可能です。
もし宮殿と動物園以外のエリア、民俗博物館や山の散策コースも歩くとなるとそうもいきませんが、実際の所丸1日と言っても宮殿と動物園だけであれば朝から晩までかかることはありませんので、夕方以降は他の場所の観光に時間を割くことも十分可能。
ただし、それなりに歩くことにはなるので他所へ行く体力はあまり残っていないかもしれません…。
それでも一度訪れるとずっと記憶に残るほど独創的な場所なので、ザルツブルク観光を計画中の方はぜひこのヘルブルンも目的地の一つに入れてみて下さい。
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