お腹が弱い人がオーストリア旅行に行く前に知っておきたいこと
せっかくの海外旅行でお腹がゆるくなってしまうようなことは誰でも避けたいことですよね。
オーストリアは別に刺激の強い食べ物があるわけでもなく、飲んではいけない水道水が出るわけでもありません。
食事面でも安全性に関しては他のEU諸国と同じくとても安全性が高い国で、ついでにウマいものだらけです。
しかしお腹が弱い方が何も知らずにオーストリア旅行に来てしまうと、ちょっとした違いから腹痛や下痢などの症状に見舞われてしまうかもしれない、ちょっとした気を付けるべき点がいくつか存在します。
ここでは食べ物・飲み物でお腹がゆるくなりやすい人が知っておきたい、初めてのオーストリア旅行をなるべく楽しく過ごせるポイントをご紹介します。
オーストリアのトイレ事情
オーストリア主要都市の公衆トイレ場所一覧
オーストリアの各州のサイトにて市営の公衆トイレの場所一覧や地図が提供されています。
ウィーンの公衆トイレ
https://www.wien.gv.at/umwelt/ma48/sauberestadt/wc/index.html
ザルツブルクの公衆トイレ
https://www.stadt-salzburg.at/wc-anlagen
グラーツの公衆トイレ
https://www.gbg.graz.at/cms/beitrag/10327610/9605551/Oeffentliche_WC_Anlagen.html
インスブルックの公衆トイレ
https://www.innsbruck.gv.at/leben/oeffentliche-toiletten
リンツの公衆トイレ
https://www.linz.at/stadtentwicklung/105102.php
オーストリアの公衆トイレはキレイ?
ぶっちゃけあまり期待はしない方が良いです。
そもそも日本の公園にある様な公衆トイレをキレイと思うのか、可もなく不可もなくか、あるいは汚いと思うかは人によっても異なるので一概に言えることでもありません。
ただ、それを踏まえても日本のトイレは世界的に見て清潔な方ですので、端的には「可もなく不可もなく」の下くらいのイメージを持っておくと無難かと。
有料トイレはキレイ?
オーストリア含めヨーロッパでは数十セントほどを払うことで使える有料トイレがいたるところにあります。
払い方は様々で、ドアに小銭を入れる部分があるものや人が立っているもの、あるいはファストフード店によくあるレシートにトイレのドアを開けるコードが印字されたタイプ(要は注文しないと使えない)など様々です。
いずれもお金を払う場所なのである程度の清潔感は保証されており、手洗い場にハンドソープが無いといったこともあまりありません。
覚えておきたいおすすめのトイレ
オーストリア旅行で上手くトイレと付き合う方法、それは立ち寄るお店やレストランでこまめにトイレに行くことです。
残念ながらオーストリアではスーパーやアパレルショップなどにはお客様用のトイレが設置されていることは多くありません。
ただ、レストランやカフェ、博物館や宮殿など、入場料や料理の注文が決まっているような場所には私たち日本人が期待するようなキレイなトイレが設置されており、大抵の場合追加でお金を取られることなく利用することが出来ます。
そのためこういった場所に立ち寄った際には、例え必要がなくてもトイレに行っておくことが最悪の事態を防ぐポイントになります。
また、デパートのトイレも同じように無料で利用できることがほとんどです。
デパートの数自体あまり多くないため場所は限られますが、同じくらい期待できる清潔感が保たれているので覚えておいて損はないでしょう。
また、逆に突然腹痛に襲われた際にもこれらの施設やすぐ目につく近場のカフェに立ち寄ってトイレに行く方が、下手に公衆トイレを探すよりも個人的には気が楽かなと思います。
ウィーンのデパート・ショッピングモールの場所
- Wien Mitte – The Mall
Landstraßer Hauptstraße 1B, A-1030 Wien - Westfield Shopping City Süd(SCS)
Vösendorfer Südring, A-2334 Vösendorf - Gerngross
Mariahilfer Straße 42-48, A-1070 Wien - Lugner City
Gablenzgasse 11, A-1150 Wien - Millennium City
Handelskai 94-96, A-1200 Wien - Auhof Center
Albert-Schweitzer-Gasse 6, A-1140 Wien - Huma Eleven
Landwehrstraße 6, A-1110 Wien - Westfield Donau Zentrum
Wagramer Straße 94, A-1220 Wien - Riverside
Breitenfurter Straße 372, A-1230 Wien
ウォッシュレットは付いてる?
残念ながらオーストリアのほとんどのトイレにはウォッシュレットは付いていません。
後述の通りオーストリアは日本とは異なり硬水が使われていることや、そもそもトイレとシャワーが同室のユニットバス率が高いことなどから、まだまだ普及していないというよりは今後もあまり普及しなさそうと思われます。
携帯ウォシュレットという手
「ウォシュレットがなければ自分で持ってきたらいいじゃない」と日本人の熱い想いが作り出した携帯ウォシュレット。
旅行好きでない限りあまり目にすることはありませんが、現在では色々な会社から手ごろな価格で販売されているため、ウォシュレット派の方はとりあえず買っておいて間違いありません。
オーストリア旅行でお腹がゆるくなる主な要因
普段日本で暮らしている分にはお腹がゆるくならない人でも、オーストリアでは腹痛に見舞われてしまう要因があります。
乳製品の飲食による腹痛や下痢
牛乳をはじめ、乳製品を食べたり飲んだりすることで腹痛や下痢になる場合があります。
しかし正直なところ、伝統料理をはじめオーストリアで食事をする際に乳製品に出会う確率は日本よりかなり高いです。
アプフェルシュトゥルーデルをはじめとした多彩なケーキや3段重ねのアイスクリーム、生クリームをふんだんに乗せたウィンナーコーヒーやザッハトルテ、シュニッツェルにさらにたっぷりチーズを挟んだコルドンブロイなど、そもそもオーストリアは特に乳製品や小麦から作られる伝統料理やデザートに定評がある国です。
街中のスタンドで食べられるケバブにはヨーグルトソースがかけられるものも多いですし、ピザにチーズは言わずもがな。
オーストリア自慢のチーズや生クリーム・バターはそこら中のレストランでふんだんに乗せたりかけたりが常識です。
牛乳やヨーグルトはともかくチーズやバターでもお腹がゆるくなる方は割合としては多くないかもしれませんが、逆に乳製品全般NGという方も中にはいるでしょう。
対策
乳製品を食べたり飲んだりするとお腹がゆるくなるのは、それらに含まれる乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が少ない、もしくは十分な働きが出来ていないためです。
https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_001_477/
乳糖摂取によって生じる下痢などの症状は「乳糖不耐症」と呼ばれており、日本人の2/3がこの乳糖不耐症と言われているそう。
https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/post-17090/
もちろん「食べなければどうという事はない」とは言え、旅行の醍醐味の一つでもあるザッハトルテやウィンナーコーヒーを味わいたいのを我慢するのももちろん嫌ですよね。
となれば旅行に出発する前に、少しでも体を慣らしておくことが対策の一つとして挙げられます。
https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa32.html
元々は乳糖不耐症の方でも、少しずつ繰り返し乳製品を摂ることによって症状が軽くなったり治ったりすることもあるとされています。
もちろんトイレに籠城するような無茶は禁物ですし、乳糖不耐症ではなく牛乳アレルギーなどの場合にはそもそも摂取するわけにはいきませんので注意は必要です。
あるいは牛乳を飲むときは「お腹大丈夫かな…?」と心配していても、私のようにクリームシチューはガツガツお代わり出来る人もいると思います。
牛乳は飲めるけどヨーグルトは大丈夫、あるいは牛乳もヨーグルトも気にしないけどアイスが苦手という方もいるでしょう。
ひと口に乳製品が苦手といっても何が苦手かは人によって異なる類のものですので、自分の胃腸の様子もうかがいつつ事前に慣れておくことで色々なオーストリア料理に舌鼓を打ってほしいと思います。
硬水を飲むことによる腹痛・下痢
オーストリアの蛇口からは、日本のそれとは異なりミネラルがたっぷり含まれたアルプスの天然水が流れ出します。
これは言い換えると日本の水が軟水なのに対し、オーストリアの水は硬水ということでもあります。
硬水とはカルシウムやマグネシウムが一定以上含まれている水のことで、わずかに苦味があったりシャワーで髪を洗うとゴワゴワになるといった細かな違いがあります。(オーストリアの硬水についてはこちら)
一般的には健康に良いとされる硬水ですが、人によって硬水に含まれるマグネシウムが原因で腹痛や下痢になってしまうとも言われており、胃腸に不安がある方はもちろん硬水自体にあまり慣れていない我々日本人にとってはいささか敬遠しがちなものでもあります。
https://shinewater.jp/magazine/post/hard_water/
対策
しかしオーストリアでは蛇口からはもちろん市販されているミネラルウォーターのほとんども基本的には硬水で、正直なところ文字通り腹をくくって飲むしかありません。
そのため、まずは自分が硬水を飲んでも平気なのか、どれくらいの量ならお腹がゆるくなったりしないかを旅行する前に確認することが重要です。
幸い日本のスーパーではコントレックスやヴィッテル、エビアンなどの硬水を普通に買うことが出来るので簡単に試してみましょう。
特にエビアンは比較的ミネラル量が少なく飲みやすいのでおすすめです。
問題なく飲めそうなことが分かれば、少しずつ飲む量を増やしたり硬度の高いコントレックスなどを試してみるなどをして硬水に体を慣らしておくことで、オーストリアに来た時には飲み水に体調を左右されることがなくなります。
また、もうひとつできる対策としてオーストリアへ向かう際、日本のペットボトルの水を持って行くことが挙げられます。
手荷物で100ml以上の液体を持ち込むことはできないため、飛行機の預け荷物に入れることになりますがスーツケースの空きと重量制限の許す限り詰め込んでおくわけですね。
持ってきた水をそのまま飲むのも良いですし、最初はオーストリアで買ったミネラルウォーターに割って飲み体を慣らしつつ、慣れてきたら硬水だけで飲んでみるといったやり方も良いでしょう。
普通の水ならペットボトル2リットルでも100円しないですから、最悪現地で飲みきれなくても勿体ないというほどではないはず。
むしろわずかな金額で安心を買えたと思えば十二分なコスパだと思います。
コーヒーを飲むことによる腹痛・下痢
正確にはコーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸の摂取によるものや、アレルギーなどが考えられます。
https://fdoc.jp/byouki-scope/features/coffee-diarrhea/
オーストリアと言えば宮廷御用達のコンディトライでケーキとコーヒーを優雅に満喫…と言っても過言ではない文化の国ですので、カフェインの摂取はオーストリア旅行を満喫する上では避けられない壁です。
対策
改めて確認するまでも無いかもしれませんが、まずは自分がコーヒーアレルギーではないこと、そしてコーヒーを飲んでお腹がゆるくならないか事前に確認しておくことは重要です。
カフェインには脂肪を分解する酵素リパーゼを活性化させ、胃液の分泌を促す作用や交感神経を刺激する作用もあるため、飲む量やタイミング(空腹時)でもお腹の調子に変化をもたらすかどうかは変わります。
そのためオーストリアのカフェでコーヒー類を注文する際には空腹時以外(例えばランチ後)の方が良いですし、食後でなくても先にケーキから食べるなどの細かな配慮でも腹痛を避けられる可能性があります。
また、暑い季節は難しいかもしれませんがアイスコーヒーよりもホットコーヒーの方が胃に刺激が少ないですし、乳糖不耐症でなければ生クリームが乗ったウィンナーコーヒーや甘いメランジェなどを飲むようにすると、ブラックで飲むよりもお腹がゆるくなりにくいです。
時差ボケによる腹痛・下痢
オーストリアと日本の時差は夏季(サマータイム)は7時間、冬季は8時間。
この時差による体内時計のバランスが崩れることによっても腹痛や下痢の症状が出ることがあります。
ただ、時差ボケの最大の症状は眠気ですので、あまりお腹の調子で悩まされる人は多くないかもしれません。
https://www.hs-sonpo.co.jp/travel/useful/tr-jet-lag.php
個人差はもちろんありますが、オーストリアとの時差を考えると日本人が時差ボケを体験することになる可能性は高いです。
対策
オーストリアでの滞在日数が1日2日なら我慢できる範囲かもしれませんが、それ以上の期間なら出発前の2~3日間は早寝早起きを心がけると非常に効果があります。
前述の通り、日本の夜12時がオーストリアの夕方4~5時です。
私自身経験がありますが、オーストリアに到着した日から数日はこの夕方頃になると非常に強い眠気を感じます。
また、起きる時間もズレるため明け方どころか夜中に目が覚める羽目になります。
そのため出発前から小学生並みになるべく早く、夜9時には寝るように体内時計の調整を始めておくと、眠気はもちろんお腹の調子に影響されずに初日から活動できるようになります。
もし事前の調整をする時間がなかった場合は、せめて飛行機の中での過ごし方は到着するオーストリアに合わせてことをおすすめします。(というより飛行機で食事がでる時間も配慮されていることがほとんどです)
また時差ボケは行きの際だけ気にすべきものではなく、日本に帰ってくるときにも当然ながら影響を受ける可能性があります。
オーストリアの夜12時が日本の朝7~8時ですので、今度は逆に夜更かし気味になるということですね。
ここで気を付けたいのが旅行の翌日から学校や仕事がある場合です。
朝9時のさぁこれからという時間に一番眠気が襲ってくるので、特に会社の場合は眠そうにあくびでもしようものなら「コイツ昨日まで旅行に行ってたのに…」のような視線を向けられる羽目になります。
一番のおすすめは帰国後の次の日(出来るなら2日程度)も込みで休みを取っておくこと。これに尽きます。
腹痛や下痢止め・整腸剤を忘れずに
元々お腹がゆるくなりやすい方は既に自分に合うお薬をお持ちだと思いますが、そうでない方も念のためにお腹の不調時に対応できるお薬を持って行くとより心強いですね。
下痢止めならビオフェルミンや正露丸、胃腸薬なら太田胃散やエビオス錠などいろいろな種類があるので旅行用にいくつか揃えておくと安心です。
特に初めてオーストリアへ旅行に来られる際にはぜひこれらのポイントをもとに、初めての場所でも不安なくお腹の調子も崩さずに散策を楽しんでもらえると幸いです。
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